アラビノキシラン特別研究会MGN-3 高いNK細胞賦活化作用 |
宿主の免疫能を高め、全身状態を改善することが、進行・末期癌患者のQOLの向上につながること、そしに加えて、再発の遅延や予防においても重要な役割を果たしていることが再認識されてきている。そうした免疫賦活化効果をもつ機能性食品であるアラビノキシラン(
MGN−3)の特別研究会が日本食品機能研究会の主催で8月2日に、東京紀尾井町のザ・フォーラムで開かれた。特別研究会では、UCLA/DREW医科大学のM.ゴーナム氏から「アラビノキシランの免疫細胞に対する基礎作用と癌治療への応用」について講演が行われたほか、日本における、アラビノキシランの使用例についても、門野豊(かどの内科・消化器科)傍島徹(星ヶ丘厚生年金病院呼吸器外科)の両氏から発表された。 |
|
抗腫瘍免疫系全体を向上 |
アラビノキシランは米糠を材料に開発された機能性食品で、これまでの研究からNK細胞を賦活化する作用を持っていることが明らかになっている。NK細胞は癌細胞やウイルス感染細胞などを殺す働きを持つとともに、サイトカインを分泌して免疫反応を調節する機能を持っており、ことに腫瘍免疫においては重要な役割を担っている。ゴーナム氏からはそうしたNK細胞賦活化のどのような点にアラビノキシランが働いているかについて検討した成績が報告された。
NK細胞がどのように標的を認識するのか、またどのような機構で細胞傷害を起こすのかは、ここ数年の研究でかなり明らかになってきた。そのなかの一つのトピックスは、NK細胞のあるものは標的細胞上のMHCクラスT分子を認識し、この認識ができなくなると標的細胞破壊を引き起こすことが分ってきたこと。従来は、NK細胞がMHCの異なるウイルス感染細胞や癌細胞むをも傷害できることから、MHC非拘束性の細胞傷害性を持つとされていたが、実はMHC
分子がNK細胞の標的認識に重要な働きをしていることが明らかになっている。 NK細胞傷害性は、傷害を促進する正のシグナルと抑制する負のシグナルとのバランスによって調節されていると考えられており、それぞれのシグナルは標的細胞上のリガンド分子を認識するNKレセプターが伝達している。このうち抑制シグナルを出すレセプター遺伝子については解明が進み、KIRと呼ばれるレセプターファミリーが同定されている。その抑制機構としては、KIRが標的細胞上の自己MHCクラスT抗原のHLA
−A,B,C分子と結合すると、抑制シグナルが伝達され、NK細胞は標的を殺さない。それが自己の正常細胞を傷害しない仕組みとなっている。
しかし、もしKIRが相手の細胞を認識できないと、抑制シグナルが出ずに正のシグナルがそのまま伝達され、NK細胞は標的細胞を破壊するとされている。癌細胞がT細胞などの免疫機構から逃れる一つのシステムとして、MHCの発現低下が知られているが、NK細胞の場合にはMHCを認識できないと正のシグナルが動くことから、T胞細系で認識できない癌細胞をも破壊することができる。
一方、NK細胞傷害機構としては、NK細胞の細胞質中に存在する顆粒が、標的細胞とした結合した際に生じる細胞間の隙間に放出され、それによって細胞破壊が起ることが知られている。この顆粒のなかには70kDaの糖蛋白であるパーフォリン分子があり、それが標的となった細胞膜に孔を開け、細胞内への外液の流入などが起って、標的細胞が死ぬとされている。また、顆粒にはセリンプロテアーゼ分子群が含まれており、パーフォリンが開けた孔から細胞内に流入して、
を断片化しアポトーシスを起こすことも分ってきている。
ゴーナム氏がそうしたNK細胞作用に対するアラビノキシランの効果を検討したところでは、標的細胞へのNK細胞の結合能が、アラビノキシラン投与によって明らかに向上することが認められている。さらに、癌細胞などによって起きたNK細胞内顆粒の減少に対しても、アラビノキシランは再顆粒化を促し、傷害性をもったNK細胞にする働きをもっていることが突き止められている。つまり、アラビノキシランはNK細胞が癌細胞などを認識する能力を高めると同時に、標的細胞を打ち倒すための武器も充実させたことになる。
また、アラビノキシランはNK細胞の活性化ばかりでなく、T細胞やB細胞などの免疫系全体を賦活化することも、ゴーナム氏らは見出している。特に産生が高まるのはIFN(インターフェロン)やTNF(腫瘍壊死因子)で、NK細胞から産生されたIFN−γが未分化のT細胞を細胞性免疫系のT細胞(Thl)へと分化させたり、TNFが抗腫瘍性に働くなどして、免疫系全体が賦活化されることが明らかになってきている。
いずれにしても、抗腫瘍作用をもつ免疫系で大きな役割を果たしているのはNK細胞で、これまでにもNK細胞の活性化を狙った免疫療法が取り入れられてきた。その代表的なものとしてよく知られているのがIL−2の投与で、NK細胞はIL−2の刺激で増殖活性化され、LAK活性を示すようになる。
ただ、高濃度のIL−2投与の場合では副作用も強く、これまでの臨床検討では十分な成果は得られていない。そのため、抵用量でもIL−2が抗癌作用を発揮するような併用療法などの開発が待たれている。ゴーナム氏はそうした点に着目して、アラビノキシランとの併用療法についても検討を行った。
実験はヒト末消血Tリンパ球を用い、アラビノキシラン単独、IL−2単独、アラビノキシランとIL−2の併用の3群に分けて、NK細胞活性の変動について調べられた。その結果では、アラビノキシラン単独では138.6%、IL−2単独では179.5%、とNK細胞の活性が得られたが、両者を併用するとコントロールに対して
332.7%と高い相乗効果が得られることが判明している。
なぜ、そうした相乗効果が得られるのかについてのメカニズムは、現在のところ十分には解明されていないが、ゴーナム氏は「アラビノキシランのTNF−α産生作用が大きく影響しているものと考えている。」と報告した。実際、ゴーナム氏らが健常被験者20名の末消血リンパ球を使って検討したところでは、コントロールが195pg/ml±102に対して、
IL−2処理群では216pg/ml±100と、TNF−α量に何の変化も見られなかったのに対して、アラビノキシラン処理群では5773pg/ml±2653と、TNF−αが多量に産生されることが認められている。また、両者を併用した結果では8127pg/ml±2578とさらに産生が増加することが突き止められており、IL−2の投与量を低くしてもNK細胞が活性化されることが明らかになっている。今後、臨床応用などについて検討されることになっているのが、アラビノキシランの併用によって、低用量のIL−2でNK細胞の活性化が得られる点では、新たな展開が期待されそうだ。
|
QOCの改善で大き効果 |
ゴーナム氏らはアラビノキシランを用いた臨床検討も進めており、この4年間ほどで約100例の研究成績が積み重なってきている。対象とされたのは多発性骨髄腫や白血病といった血液系の癌や、乳癌、子宮頚癌、卵巣癌などの数多くの癌種に及んでいる。臨床検討としては、手術や癌化学療法、放射線などによって、トータル・セル・キルを図った上で、それでも抗癌剤耐性の出現などから、どうしても残ってしまう少数の癌細胞を、宿主免疫能を賦活化することによって排除できないかという従来の非特異的な免疫療法と同様のデザインで行われた。その成績では、NK細胞の活性化を指標とすると、ほとんどの患者で良好な成果が得られている。
ゴーナム氏からは、その代表的な症例が紹介された。そのうち、前立腺癌患者での成績についてみると、ホルモン療法終了後にアラビノキシラン投与を開始した症例では、前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)が長期間にわたって正常値を維持する結果が得られている。一般に、ホルモン療法が奏効するとPSA値は低下するが、時間が経過するに従って再び上昇する例が多いことが分っており、ゴーナム氏は「アラビノキシランの投与によって、再燃を防止することができた」と語った。他の前立腺癌患者でも同様の成績が得られており、特にアラビノキシランを投与した例では、ホルモン療法に伴う男性機能の消失もなく、QOLの面で優れた役割を果たしていることが紹介された。
そうした効癌活性や癌の再発予防効果につながっているのは、アラビノキシランによるNK細胞の活性化で、低かったNK細胞の活性値が正常レベルまで回復するに従って、全身状態が改善され、延命につながる成績が得られている。そのほか乳癌や多発性骨髄腫、白血病などでも良好な成績が積み重なっており、「進行・末期癌患者に対する医療として、アラビノキシランはQOLの面でも、また癌再燃の遅延ないし予防においても有用性が高い」とゴーナム氏は報告した。
その使い方が一つ問題になるところだが、ゴーナム氏は使い始めたら途中で中断することなく長期間使用することと、患者をストレスから守ることが大切だと指摘した。ストレスがかかるとNK細胞活性が低下することが動物実験でも明らかになっており、それが治療効果を左右する原因にもなっていることから、十分な配慮が必要だと語った。
特別研究会ではまた、傍島氏から肺癌患者にアラビノキシランを投与した1症例が、門野氏から自己免疫疾患に対す4例の臨床検討成績が報告された。このうち肺癌に対する成績では、出現した骨転移がアラビノキシランの投与によって軽快し、骨腫瘍マーカーの数値も低下していることが紹介された。一方、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患への投与では、まだ投与開始してから日が浅いため、有効性を判定できないものの、全身状態の改善傾向が高く、副作用などの有害作用は認められないことが示された。
|
なお、問い合わせは日本食品機能研究会 |
(TEL:03-3669-0081,http://www.health-station.com/jafra)まで。 |
|
NK細胞が癌細胞を攻撃した直後アラビノキシラン構造式モデル大きい方が癌細胞、小さい方がNK細胞 で、癌細胞の中央にNK細胞の攻撃によって開けられた孔がある。NK細胞は既に次の標的に向けて癌細胞から離れてい
るが、この後、5分以内に癌細胞は死んでしまう。 |
|
医師が使う機能性食品 アラビノキシラン |
先生のクリニックではホリスティック医療を幅広く取り入れられていますが、どういう お考えから始められたのですか。 |
がんの患者さんが多いものですから、治療を進めていくなかで免疫強化ということが大きな柱になります。しかし、免疫強化というのは医者だけでできるものではありません。あくまでも患者さんが主体であって、私たちは患者さんの免疫力とか治癒力を引き出すサポートをする立場だと思っています。ですから治療するだけでなく、日々の養生という考え方も重要なんです。 |
具体的には、どういうことをしているのですか? |
免疫強化療法として12項目を用意しています。そのうち、クリニックですることが5つ、患者さん自身ですることが7つあります。クリニックですることは、直接的に治癒力、免疫力を強化するためのもので |
@ビタミンC大量点滴療法 |
A丸山ワクチン(SSM)皮下注射 |
B漢方薬処方 |
C治癒力を引き出すための養生法指導 |
D病気に対する見方、考え方を変えるためのレクチャーなどです。 |
|
一方患者さんが自分ですることは、内なる治癒力を高めるための日々の養生という位置付けのもので、 |
@食養生(各種食事療法、半断食) |
A気功、ヨーガ、ボディートーク |
B呼吸法(腹式、丹田) |
Cびわの葉温熱療法、びわの葉療法、アロマセラピー、リフレクソロジー(足の裏反射療法) |
D機能性食品・栄養補助食品 |
Eメンタルケア(心のもち方)、グループサポート |
F瞑想・祈り・念仏・座禅 |
なのです。 |
|
ホリスティックな視点で治癒力と免疫力を高める |
時間がかかるがNK細胞活性 恒川消化器クリニック副院長・医学博士 恒川洋氏に聞く |
|
先生の免疫強化療法のなかで、機能性食品はどんな位置付けをされているのですか? |
免疫力とか治癒力というのはメンタルな面が非常に大事なんですが、メンタルケアだけ ではどうも心許ない。ましてや瞑想とか祈りとなると、患者さんのほうが不安になってしまう。そんななかで機能性食品を実際に口にするという行為、そして、その結果風邪
をひかなくなったとか、便秘をしなくなった、髪の毛が黒くなってきたという、そういう目に見える変化が患者さんのヤル気を起こさせるんです。その気持ちが免疫強化にプ
ラスに作用する。 |
|
主にどのような機能性食品を使われていますか? |
免疫強化という観点からですと、EM−X飲料、レンチンプラス(アラビノキシラン)、 水溶性キトサン、液体サメ軟骨細胞液などです。
|
|
アラビノキシランはいま、多くの先生方が使われているようですが、先生はどんなきっかけで? |
ゴーナム博士の本(マンドゥー・ゴーナム著『抗癌力』主婦の友社)を読んでからです。
治験のデータに非常に説得力があり、使ってみる価値があるものだと思いました。 |
|
何か、これはというデータは出ましたか? |
昨年(98年)の8月からレンチンプラス(変性米糠アラビノキシラン)によるNK細 胞活性のモニターを、12名(内、コントロール4名)を対象に続けています。患者さんは皮膚がん(再発)、糖尿病(インスリン依存型)、膀胱がん(再発)、尿管がん(術後)、
前立腺がん(術後)、肺がん(再発)、慢性肝炎(C型)、慢性膵炎、大腸がん(術後)の8名です。1日の投与量は患者さんによって違いますが、概ね3包、1番多い人で6包です。
この3月、4月までの数値では、NK細胞活性の変化はあまり見られませんでした。
なかには数値が悪くなっている患者さんもいます。ところが6月になって全体に数値が上がる傾向を見せ始めました。たとえば、尿管がんの患者さんの場合、今年の1月の数
値が6.4、3月が9.6、だったものが6月には46.7まで上昇しています。
ゴーナム博士が報告してるような2週間でということはありませんが、ある程度時間をかけると、ある時ふっと上がってくる、そんな印象ですね。
また、数値とは関係なく、これを使っていると髪の毛が増えてきたり、黒々としてくる んです。それから風邪をひかなくなる。がん自体は小さくなってはいないけど、全体の免疫力は上がっているわけです。(文責・編集部) |
|
恒川洋(つねかわ・ひろし) |
1973年、昭和大学医学部卒業。国立名古屋病院内科研修医、同消化器科レジデント、同厚生技官(消化器科)を経て 82年、名鉄病院消化器科医長、87年同部長を歴任。89年名古屋レーザー医学研究所開設、90年、同所長、恒川消化器クリニック副院長に就任現在に至る。
91年からはホリスティック医学の観点から東海ホリスティック医学振興会会長も務める。
がん治療の体系化を説明する恒川 医学博士
医師(6月17日、名古屋、太閣の日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学界地方評議員、日本レーザー医学会誌編集委員 恒川消化器クリニックで)
|
|
代替医療の現場から 帯津良一氏に聞く |
(日本ホリスティック医学協会・会長) |
医療の最前線で西洋医学だけでなく幅広い視野から診療を続け、日本ホリスティック医学協会会長として新たな医療のあり方を常に追求し続けている帯津三敬病院院長・帯津良
一氏に代替医療への思いを語っていただいた。同時に、7月にロサンゼルスで行われ団長として参加された「第1回日本食品機能研究会ワークショップUSA」の印象も伺ってみた。
|
|
代替療法は総合医療へのワンステップ |
代替療法は目的ではない−統合医学へのプロセスとして重要 |
私は、代替療法の意味づけは統合医学へのワンステップだと思っています。代替療法をいくら上手にやっても、科学的な根拠がないですからね。ないから代替療法なんです。ここに化学的な根拠をどんどんつけていくということは大切だけど、つけて全部科学的な根拠が完備されれば、その日から代替療法じゃなくなるわけですよ。西洋医学側に居所を移すわけですね。 |
そうするとまた、新しい代替療法が出てくる。だから結局、代替療法というのはいつも科学的でない部分が伴っていると見ればいいわけです。そして、科学的に分っている部分はこれだけですよ、これだけは分りませんよというのを整備して、西洋医学と一緒にして、統合医学に持っていく。インテグレイティブといいますかね。 |
そうして統合医学に持っていったときに、大きな力が出ると思うんですよ。だから、あれは代替医療じゃないかと卑下するとか貶するような風潮もなくなるし、代替療法は代替療法、分からないんだけどもこれはこういうものなんだということで、西洋医学と統合していくと。 |
この統合医学がきっちりできているのに、まだ大分時間がかかると思うんですけれどもね。そうするとホリスティック医学の意味が見えてくると思うんです。 |
だから、代替療法だけが目的じゃなくて、こういう流れの中に代替療法があって、だけど代替療法を完備していくということは世界の人類のために大切なんだということですね。 |
|
日本でも動き始めた代替医療研究の機運 |
昨年から日本代替医療学会ができて、JACTができて、もう1つCAMUnetというのがあるんですね。私の知っている範囲では、その3つくらいが日本の代替療法の大きな組織ですが、これはそれぞれ趣が違うから、それぞれが発展していってくれればいいと思うんですね。
|
日本代替医療学会というのは、私は行っていないんですが、聞くところによるとどちらかというと健康食品がテーマみたいで、JACTの方は医療者、要するに若いドクターにこういう思想を普及させたいという渥美和彦理事長の考え方で発足させたものですね。 |
CAMUnetは一般のというか、医療を受ける側の、代替療法を受けたいんだがどこに行ったらいいんだろうという人に対する情報提供なんかで広めていこうという。 |
それぞれに立場が違うから、それを推進してもらえばいい。私はJACTとCAMUnet |
メンバーになっていますけれども、私自身はホリスティック医学協会が主な仕事ですから、両方ともホリスティツク医学の1部という捉え方でおつきあいしているんです。 |
|
日本ホリスティック医学協会について |
日本ホリスティック医学協会の発足は1987年です。きっかけは、当時、日本の医療に問題意識を持つ東京医科大学の学生が中心になって、アリゾナ州立大学のアンドルー・ワイル氏の本『人はなぜ治るのか』なんかを読んだりして、ホリスティック医学研究会というのを作ったんですね。当時、東京医大の藤波襄二教授(現・名誉教授)が中心になって指導されていまいて。 |
そこでワークショップやシンポジウムをやったりしている時に、私もここで開業したころで、呼ばれたものですから、協会にしようじゃないかと。 |
協会にしようというときに50人くらいの人が集まりましたかね。医療者だけでなくて翻訳家やら、文化的な仕事の方も含めていろんな人が集まりました。 |
いま12年経って、1500人。いろいろありましたけれど、方向性は間違わずに来ていると思うんですね。 |
今、私の病院では、通常の治療のほかに気功や呼吸法の指導をしています。自由参加で強制はしませんが、呼吸法などは古来の養生法ですから、自然治癒力を高める、潜在能力を高めるということですね。 |
道場で、場の中にすっぽり入ることによって、場のポテンシャルの中で自分のポテンシャルを高めることができる。そんなことから気持ちがよいと、自然と患者さんが集まってきます。漢方や鍼灸なども含めて治療をしています。 |
呼吸法の指導をする帯津良一氏 帯津三敬病院(埼玉県川越市) |
|
【患者さんに好評なアラビノキシラン】 |
健康食品はスケートリンクの手摺り |
健康食品の使用は自由 効果が科学的に証明された安全な食品を推薦 |
健康食品は、処方として出すわけではありませんが、自由に使ってもらっています。100べッドのうちの70~80 人は癌患者さんですが、入院時に何かしら健康食品を持ち込みます。7種類も8種類もやっているのが普通なんですが、少し減らしたいんだけれどもと相談にくるんですよ。 |
これとこれは同じような作用だから、高い方を除きましょうなんてやって、3〜4種類に絞るんです。 |
私はよくアイススケートリンクの手摺りにたとえるんですけれども、これは科学的に絶対ということはいえないんだから、手摺りのような感じで支えにして気持ちを作っていくんだと。 |
自然治癒力というものはまだ科学が解明していないから、自然治癒力に働きかけるこういうものが科学的であるわけではないんだということを患者さんによく納得させるんですね。だから、自分にある程度選択する、選択したらそれを信じてやらないと駄目だと。 |
ただ同じ科学的でないにしても、科学的なデータがある方が、ないものよりは、何となく安心だと。そういうことでアラビノキシランなんか割合に科学的データがありますからね、それでいいと。 |
|
44人中の29人がアラビノキシランを飲用 |
ある時カルテを調べたら、44人の人が健康食品を飲んでいるんですよ。ちょうど退院した人が普通の日よりも多くて、入院患者が90人弱だったんですね。その中には癌でない人もいるし、癌でもかなり重症で口から飲めない、点滴に頼っている人もいる。 |
その44人が77品目飲んでいるわけですよ。1人で2つとか3つとか4つとかいるわけです。その順位をつけたらアラビノキシランが圧倒的に多いんですね。29人が飲んでいるんです。 |
例えばサメの軟骨にしてもアガリクスにしてもいろんな会社のものがあるでしょう。 |
でもアラビノキシランはうちは1社だけですから、患者さんがあまり迷わなくていいというのが1つと、それからゴーナムさんの『抗癌力』という本がある程度説得力があるということからこういう結果が出たんだと思います。 |
|
ホルモン依存性の癌や肝臓癌に手応え |
私の経験でも、アラビノキシランがとてもいい手応えがあるんですね。特に前立腺癌とか、乳癌、卵巣癌、子宮癌、どうも、このホルモン依存性のもの、それと肝臓癌ですね。 |
私の先輩のドクターが前立腺癌になって相談を受けた時に、アラビノキシランだけ送っていたら、どんどん腫瘍マーカーがよくなってきて、全く正常値に入っちゃって。ずっと飲み続けているんです。 |
これはほかのことは何もしていないんです。自分の仕事に差し支えますからね。こんなケースも含めて割合と感触がいいなと思っています。この先輩の場合は診断がついてからアラビノキシランを始めたわけですから、確かにその効果だと思うんですね。 |
うちの患者さんの場合は病気がもっと進んだ段階で背水の陣でやっていますから、アラビノキシランだけという人はいませんね。食事療法に入る人、気功やったり、漢方薬飲んだりと。だから何ともいえないんだけれども、どうもこれがいいんじゃないかという人がいるんですね。 |
優劣を付けたり、甲乙をつけたりということは私は原則としてはできない。ただほかのものとのかねあいで、例えばアラビノキシランをやるとして、もう1つ併用するとしたら、似たようなアガリクスよりもサメの軟骨(SOD)のほうがいいんじゃないか。そういう指導をします。 |
印象に残ったのは、代替療法についてざっくばらんなところですね。あまりかしこまったり、学会形式でなくて、あるがままにという交流をやろうと。これがよかったですね。 |
|
|