◆国民健康保険法

(昭和三十三年十二月二十七日法律第百九十二号)
昭和三十四年一月一日
平成六年六月二九日法律第五六号


第一章 総則

(この法律の目的)
第一条 この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保
    障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。

(国民健康保険)
第二条 国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要
    な保険給付を行うものとする。

(保険者)
第三条 市町村及び特別区は、この法律の定めるところにより、国民健康保険
    を行うものとする。
2 国民健康保険組合は、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行
    うことができる。

(国及び都道府県の義務)
第四条 国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなけれ
    ばならない。
2 都道府県は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指
    導をしなければならない。

(諮問)
第四条の二 厚生大臣は、国民健康保険事業の運営に関する重要事項について
    は、あらかじめ、政令で定める審議会に諮問するものとする。

第二章 市町村

(被保険者)
第五条 市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)の区域内に住所を
    有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。

(適用除外)
第六条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、市町
    村が行う国民健康保険の被保険者としない。
一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による被保険者。
ただし、同法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者を除く。
二 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の規定による被保険者
三 国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)、地方公務員
    等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)又は私立学校教職員共済
    組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)に基く共済組合の組合員
四 健康保険法、船員保険法、国家公務員等共済組合法(他の法律において準
    用する場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法の規定による被扶養者。
    ただし、健康保険法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者の同法
    の規定による被扶養者を除く。
五 健康保険法第六十九条の九の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受
    け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまで
    の間にある者及び同法の規定によるその者の被扶養者。ただし、同法第六
    十九条の八の規定による承認を受けて同法第六十九条の七の規定による日
    雇特例被保険者とならない期間内にある者及び同法第六十九条の九第三項
    の規定により当該日雇特例被保険者手帳を返納した者並びに同法の規定に
    よるその者の被扶養者を除く。
六 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護を受けている世
    帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者
七 国民健康保険組合の被保険者
八 国立のらい療養所の入所患者その他特別の理由がある者で厚生省令で定め
    るもの

(資格取得の時期)
第七条 市町村が行う国民健康保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所
    を有するに至つた日又は前条各号のいずれにも該当しなくなつた日から、
    その資格を取得する。

(資格喪失の時期)
第八条 市町村が行う国民健康保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所
    を有しなくなつた日の翌日又は第六条各号(第六号及び第七号を除く。)
    のいずれかに該当するに至つた日の翌日から、その資格を喪失する。ただ
    し、当該市町村の区域内に住所を有しなくなつた日に他の市町村の区域内
    に住所を有するに至つたときは、その日から、その資格を喪失する。
2 市町村が行う国民健康保険の被保険者は、第六条第六号又は第七号に該当
    するに至つた日から、その資格を喪失する。

(退職被保険者等)
第八条の二 市町村が行う国民健康保険の被保険者(老人保健法(昭和五十七
    年法律第八十号)の規定による医療を受けることができる者を除く。)の
    うち、次に掲げる法令に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金たる給
    付を受けることができる者であつて、これらの法令の規定による被保険者
    若しくは組合員であつた期間(当該期間に相当するものとして政令で定め
    る期間を含む。)又はこれらの期間を合算した期間(以下この項において
    「年金保険の被保険者等であつた期間」という。)が二十年(その受給資
    格期間たる年金保険の被保険者等であつた期間が二十年未満である当該年
    金たる給付を受けることができる者にあつては、当該年金たる給付の区分
    に応じ政令で定める期間)以上であるか、又は四十歳に達した月以後の年
    金保険の被保険者等であつた期間が十年以上であるものは、退職被保険者
    とする。ただし、当該年金たる給付の支給がその者の年齢を事由としてそ
    の全額につき停止されている者については、この限りでない。
一 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)
二 恩給法(大正十二年法律第四十八号。他の法律において準用する場合を含
    む。)
三 国家公務員等共済組合法
四 国家公務員等共済組合法の長期給付に関する施行法(昭和三十三年法律第
    百二十九号)
五 地方公務員等共済組合法
六 地方公務員等共済組合法の長期給付等に関する施行法(昭和三十七年法律
    第百五十三号)
七 私立学校教職員共済組合法
八 農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)
九 地方公務員の退職年金に関する条例
十 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五
    年法律第二百五十六号)
2 市町村が行う国民健康保険の被保険者であつて、次の各号のいずれかに該
    当するものは、退職被保険者の被扶養者とする。ただし、老人保健法の規
    定による医療を受けることができる者を除く。
一 退職被保険者の直系尊属、配偶者(届出をしていないが事実上婚姻関係と
    同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)その他三親等内
    の親族であつて、その退職被保険者と同一の世帯に属し、主としてその者
    により生計を維持するもの
二 退職被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情
    にあるものの父母及び子であつて、その退職被保険者と同一の世帯に属し、
    主としてその者により生計を維持するもの
三 前号の配偶者の死亡後における父母及び子であつて、引き続きその退職被
    保険者と同一の世帯に属し、主としてその者により生計を維持するもの

(届出等)
第九条 被保険者の属する世帯の世帯主(以下単に「世帯主」という。)は、
    厚生省令の定めるところにより、その世帯に属する被保険者の資格の取得
    及び喪失に関する事項その他必要な事項を市町村に届け出なければならな
    い。
2 世帯主は、市町村に対し、その世帯に属するすべての被保険者に係る被保
    険者証の交付を求めることができる。
3 市町村は、災害その他の政令で定める特別の事情がないのに保険料(地方
    税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を
    含む。第五項、第六十三条の二及び第七十二条の四において同じ。)を滞
    納している世帯主(その世帯に属するすべての被保険者が老人保健法の規
    定による医療又は原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(昭和三十二年法
    律第四十一号)による一般疾病医療費の支給その他厚生省令で定める医療
    に関する給付(次項及び第六項において「老人保健法の規定による医療等」
    という。)を受けることができる世帯主を除く。)に係る被保険者証の返
    還を求めることができる。この場合において、当該世帯主は市町村に当該
    被保険者証を返還しなければならない。
4 前項の規定により世帯主が被保険者証を返還したときは、市町村は、当該
    世帯主に対し、その世帯に属する被保険者(老人保健法の規定による医療
    等を受けることができる者を除く。)に係る被保険者資格証明書(その世
    帯に属する老人保健法の規定による医療等を受けることができる者がある
    ときは、当該被保険者資格証明書及びその者に係る被保険者証)を交付す
    る。
5 市町村は、被保険者資格証明書の交付を受けている世帯主が滞納している
    保険料を完納したとき又はその者に係る滞納額の著しい減少、災害その他
    の政令で定める特別の事情があると認めるときは、当該世帯主に対し、そ
    の世帯に属するすべての被保険者に係る被保険者証を交付する。
6 世帯主が被保険者資格証明書の交付を受けている場合において、その世帯
    に属する被保険者が老人保健法の規定による医療等を受けることができる
    者となつたときは、市町村は、当該世帯主に対し、当該被保険者に係る被
    保険者証を交付する。
7 世帯主は、その世帯に属するすべての被保険者がその資格を喪失したとき
    は、厚生省令の定めるところにより、速やかに、市町村にその旨を届け出
    るとともに、被保険者証又は被保険者資格証明書を返還しなければならな
    い。
8 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条から第二十五
    条までの規定による届出があつたとき(当該届出に係る書面に同法第二十
    八条の規定による附記がされたときに限る。)は、その届出と同一の事由
    に基づく第一項又は前項の規定による届出があつたものとみなす。
9 前各項に規定するもののほか、被保険者に関する届出並びに被保険者証及
    び被保険者資格証明書に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(特別会計)
第十条 市町村は、国民健康保険に関する収入及び支出について、政令の定め
    るところにより、特別会計を設けなければならない。

(国民健康保険運営協議会)
第十一条 国民健康保険事業の運営に関する重要事項を審議するため、市町村
    に国民健康保険運営協議会を置く。
2 前項に規定するもののほか、国民健康保険運営協議会に関して必要な事項
    は、政令で定める。

(条例の協議)
第十二条 市町村は、政令で定める事項に関し、条例を制定し、又は改廃しよ
    うとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議しなければならない。

第三章 国民健康保険組合

第一節 通則

(組織)
第十三条 国民健康保険組合(以下「組合」という。)は、同種の事業又は業
    務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組
    織する。
2 前項の組合の地区は、一又は二以上の市町村の区域によるものとする。た
    だし、特別の理由があるときは、この区域によらないことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、第六条各号(第七号を除く。以下この節にお
    いて同じ。)のいずれかに該当する者及び他の組合が行う国民健康保険の
    被保険者である者は、組合員となることができない。ただし、その者の世
    帯に同条各号のいずれにも該当せず、かつ、他の組合が行う国民健康保険
    の被保険者でない者があるときは、この限りでない。
4 第一項の規定にかかわらず、組合に使用される者で、第六条各号のいずれ
    にも該当せず、かつ、他の組合が行う国民健康保険の被保険者でないもの
    は、当該組合の組合員となることができる。

(人格)
第十四条 組合は、法人とする。

(名称)
第十五条 組合は、その名称中に「国民健康保険組合」という文字を用いなけ
    ればならない。
2 組合以外の者は、「国民健康保険組合」という名称又はこれに類する名称
    を用いてはならない。

(住所)
第十六条 組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

(設立)
第十七条 組合を設立しようとするときは、主たる事務所の所在地の都道府県
    知事の認可を受けなければならない。
2 前項の認可の申請は、十五人以上の発起人が規約を作成し、組合員となる
    べき者三百人以上の同意を得て行うものとする。
3 都道府県知事は、第一項の認可の申請があつた場合においては、当該組合
    の地区をその区域に含む市町村の長の意見をきき、当該組合の設立により
    これらの市町村の国民健康保険事業の運営に支障を及ぼさないと認めらる
    ときでなければ、同項の認可をしてはならない。
4 組合は、設立の認可を受けた時に成立する。

(規約の記載事項)
第十八条 組合の規約には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
一 名称
二 事務所の所在地
三 組合の地区及び組合員の範囲
四 組合員の加入及び脱退に関する事項
五 被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項
六 役員に関する事項
七 組合会に関する事項
八 保険料に関する事項
九 準備金その他の財産の管理に関する事項
十 公告の方法
十一 前各号に掲げる事項のほか厚生省令で定める事項

(被保険者)
第十九条 組合員及び組合員の世帯に要する者は、当該組合が行う国民健康保
    険の被保険者とする。ただし、第六条各号のいずれかに該当する者及び他
    の組合が行う国民健康保険の被保険者は、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、組合は、規約の定めるところにより、組合員の
    世帯に属する者を包括して被保険者としないことができる。

(資格取得の時期)
第二十条 組合が行う国民健康保険の被保険者は、当該組合の組合員若しくは
    組合員の世帯に属する者となつた日又は第六号各号のいずれにも該当しな
    くなつた日若しくは他の組合が行う国民健康保険の被保険者でなくなつた
    日から、その資格を取得する。

(資格喪失の時期)
第二十一条 組合が行う国民健康保険の被保険者は、組合員若しくは組合員の
    世帯に属する者でなくなつた日の翌日又は第六条各号(第六号を除く。)
    のいずれかに該当するに至つた日の翌日から、その資格を喪失する。ただ
    し、組合員又は組合員の世帯に属する者でなくなつたことにより、市町村
    又は他の組合が行う国民健康保険の被保険者となつたときは、その日から、
    その資格を喪失する。
2 組合が行なう国民健康保険の被保険者は、第六条第六号に該当するに至つ
    た日から、その資格を喪失する。

(準用規定)
第二十二条 第九条(第八項を除く。)の規定は、組合が行う国民健康保険の
    被保険者に関する届出並びに被保険者証及び被保険者資格証明書について
    準用する。この場合において、同条中「被保険者の属する世帯の世帯主」
    又は「世帯主」とあるのは「組合員」と、「市町村」とあるのは「組合」
    と読み替えるものとする。

第二節 管理

(役員)
第二十三条 組合に、役員として、理事及び監事を置く。
2 理事の定数は五人以上、監事の定数は二人以上とし、それぞれ規約で定め
    る。
3 理事及び監事は、規約の定めるところにより、組合員のうちから組合会で
    選任する。ただし、特別の事情があるときは、組合員以外の者のうちから
    組合会で選任することを妨げない。
4 理事及び監事の任期は、三年をこえない範囲内において、規約で定める。

(役員の職務)
第二十四条 理事は、規約の定めるところにより、組合の業務を執行し、及び
    組合を代表する。
2 組合の業務は、規約に別段の定がある場合を除くほか、理事の過半数で決
    する。
3 監事は、組合の業務の執行及び財産の状況を監査する。

(理事の専決処分)
第二十五条 組合会が成立しないとき、又はその議決すべき事項を議決しない
    ときは、理事は、都道府県知事の指揮を受け、その議決すべき事項を処分
    することができる。
2 組合会において議決すべき事項に関し臨時急施を要する場合において、組
    合会が成立しないとき、又は組合会を招集する暇がないときは、理事は、
    その議決すべき事項を処分することができる。
3 前二項の規定による処分については、理事は、その後最初に招集される組
    合会に報告しなければならない。

(組合会)
第二十六条 組合に組合会を置く。
2 組合会は、組合会議員をもつて組織するものとし、組合会議員の定数は、
    組合員の総数の二十分の一を下らない範囲内において、規約で定める。た
    だし、組合員の総数が六百人をこえる組合にあつては、三十人以上である
    ことをもつて足りる。
3 組合会議員は、規約の定めるところにより、組合員が、組合員のうちから
    選挙する。
4 組合会議員の任期は、三年をこえない範囲内において、規約で定める。

(組合会の議決事項)
第二十七条 次の各号に掲げる事項は、組合会の議決を経なければならない。
一 規約の変更
二 借入金の借入及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
三 収入支出の予算
四 決算
五 予算をもつて定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 準備金その他重要な財産の処分
七 訴訟の提起及び和解
八 前各号に掲げる事項のほか、規約で組合会の議決を経なければならないも
    のと定めた事項
2 前項第一号から第三号まで及び第六号に掲げる事項(同項第一号及び第二
    号に掲げる事項のうち、厚生省令で定めるものを除く。)の議決は、都道
    府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 第十七条第三項の規定は、組合の地区の拡張に係る規約の変更に関する前
    項の認可について準用する。
4 組合は、第二項に規定する厚生省で定める事項の議決をしたときは、遅滞
    なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(組合会の招集)
第二十八条 理事は、規約の定めるところにより、毎年度一回通常組合会を招
    集しなければならない。
2 組合会議員が、その定数の三分の一以上の同意を得て、会議の目的である
    事項及び招集の理由を記載した書面を組合に提出して組合会の招集を請求
    したときは、理事は、その請求があつた日から起算して二十日以内に、臨
    時組合会を招集しなければならない。

(選挙権及び議決権)
第二十九条 組合員は、各自一箇の選挙権を有し、組合会議員は、各自一箇の
    議決権を有する。

(組合会の権限)
第三十条 組合会は、組合の事務に関する書類を検査し、理事若しくは監事の
    報告を請求し、又は事務の管理、決議の執行若しくは出納を検査すること
    ができる。
2 組合会は、組合会議員のうちから選任した者に、前項の組合会の権限に属
    する事項を行わせることができる。

(民法の準用)
第三十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条、第五十四条か
    ら第五十七条まで及び第六十六条の規定は、組合について準用する。この
    場合において、同法第五十五条中「定款」とあるのは「規約」と、「総会」
    とあるのは「組合会」と、同法第五十六条中「裁判所ハ利害関係人又ハ検
    察官ノ請求ニ因リ」とあるのは「都道府県知事ハ利害関係人ノ請求ニ因リ
    又ハ職権ヲ以テ」と、同法第六十六条中「社員」とあるのは「組合会議員」
    と読み替えるものとする。

第三節 解散及び合併

(解散)
第三十二条 組合は、次の各号に掲げる理由により解散する。
一 組合会の議決
二 規約で定めた解散理由の発生
三 第百九条第四項の規定による解散命令
四 合併
2 組合は、前項第一号又は第二号に掲げる理由により解散しようとするとき
    は、厚生省令の定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければ
    ならない。

(合併)
第三十三条 組合は、合併しようとする場合においては、組合会においてその
    旨を議決しなければならない。
2 組合が合併した場合においては、合併により新たに設立された組合又は合
    併後存続する組合は、合併により消滅した組合の権利義務(その組合が、
    国民健康保険事業に関し、行政庁の許可、認可その他の処分に基いて有す
    る権利義務を含む。)を承継する。

(民法及び非訟事件手続法の準用)
第三十四条 民法第七十二条から第七十六条まで、第七十七条(届出に関する
    部分に限る。)、第七十八条から第八十条まで、第八十二条及び第八十三
    条並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、
    第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十六条から第百三十七条まで及び第
    百三十八条の規定は、組合の解散及び清算について準用する。この場合に
    おいて、民法第七十二条及び第七十四条中「定款」とあるのは「規約」と、
    「総会」とあるのは「組合会」と、同法第七十二条、第七十七条及び第八
    十三条中「主務官庁」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとす
    る。

第四節 雑則

(政令への委任)
第三十五条 この章に規定するもののほか、組合の管理、財産の保管その他組
    合に関して必要な事項は、政令で定める。

第四章 保険給付

第一節 療養の給付等

(療養の給付)
第三十六条 市町村及び組合(以下「保険者」という。)は、被保険者(老人
    保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)の疾病及び負
    傷に関しては、次の各号に掲げる療養の給付を行う。ただし、当該被保険
    者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に係る被保険者資格証
    明書の交付を受けている間は、この限りでない。
一 診療
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
2 食事の提供たる療養(前項第五号に掲げる療養と併せて行うものに限る。
    以下「食事療養」という。)に係る給付及び選定療養(健康保険法第四十
    三条第二項に規定する選定療養をいう。以下同じ。)に係る給付は、前項
    の給付に含まれないものとする。
3 被保険者が第一項の給付を受けようとするときは、自己の選定する保険医
    療機関又は保険薬局(健康保険法第四十三条第三項第一号に規定する保険
    医療機関又は保険薬局をいう。以下同じ。)に被保険者証を提出して、そ
    のものについて受けるものとする。ただし、厚生省令で定める場合に該当
    するときは、被保険者証を提出することを要しない。

(削除)
第三十七条 削除

(削除)
第三十八条 削除

第三十九条 削除

(保険医療機関等の責務)
第四十条 保険医療機関若しくは保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)
    又は保険医若しくは保険薬剤師(健康保険法第四十三条ノ二に規定する保
    険医又は保険薬剤師をいう。以下同じ。)が、国民健康保険の療養の給付
    を担当し、又は国民健康保険の診療若しくは調剤に当たる場合の準則につ
    いては、同法第四十三条ノ四第一項及び第四十三条ノ六第一項の規定によ
    る命令の例による。
2 前項の場合において、同項に規定する命令の例により難いとき又はよるこ
    とが適当と認められないときの準則については、厚生省令で定める。

(削除)
第四十一条 削除

(療養の給付を受ける場合の一部負担金)
第四十二条 第三十六条第三項の規定により保険医療機関等について療養の給
    付を受ける者は、その給付を受ける際、次の各号の区分に従い、当該給付
    につき第四十五条第二項又は第三項の規定により算定した額に当該各号に
    掲げる割合を乗じて得た額を、一部負担金として、当該保険医療機関等に
    支払わなければならない。
一 次号又は第三号に掲げる者以外の被保険者 (以下 「一般被保険者」とい
    う。) 十分の三
二 退職被保険者 十分の二
三 退職被保険者の被扶養者(P) (a) イ 第三十六条第一項第一号から第四号
    までに定める給付(同項第五号に定める給付に伴うものを除く。)を受け
    る場合 十分の三(P) (a) ロ 第三十六条第一項第五号に定める給付(同
    号に定める給付に伴う同項第一号から第三号までに定める給付を含む。)
    を受ける場合 十分の二
2 保険医療機関等は、前項の一部負担金(第四十三条第一項の規定により一
    部負担金の割合が減ぜられたときは、同条第二項に規定する保険医療機関
    等にあつては、当該減ぜられた割合による一部負担金とし、第四十四条第
    一項第一号の措置が採られたときは、当該減額された一部負担金とする。)
    の支払を受けるべきものとし、保険医療機関等が善良な管理者と同一の注
    意をもつてその支払を受けることに努めたにもかかわらず、なお被保険者
    が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険者は、当該保
    険医療機関等の請求に基づき、この法律の規定による徴収金の例によりこ
    れを処分することができる。

第四十二条の二 前条第一項の規定により一部負担金を支払う場合においては、
    当該一部負担金の額に五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五
    円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。

第四十三条 保険者は、政令の定めるところにより、条例又は規約で、第四十
    二条第一項に規定する一部負担金の割合を減ずることができる。
2 前項の規定により一部負担金の割合が減ぜられたときは、保険者が開設者
    の同意を得て定める保険医療機関等について療養の給付を受ける被保険者
    は、第四十二条第一項の規定にかかわらず、その減ぜられた割合による一
    部負担金を当該保険医療機関等に支払うをもつて足りる。
3 第一項の規定により一部負担金の割合が減ぜられた場合において、被保険
    者が前項に規定する保険医療機関等以外の保険医療機関等について療養の
    給付を受けたときは、保険者は、当該被保険者が第四十二条第一項の規定
    により当該保険医療機関等に支払つた一部負担金と第一項の規定により減
    ぜられた割合による一部負担金との差額を当該被保険者に支給しなければ
    ならない。
4 前条の規定は、第二項の場合における一部負担金の支払について準用する。

第四十四条 保険者は、特別の理由がある被保険者で、保険医療機関等に第四
    十二条又は前条の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認め
    られるものに対し、次の各号の措置を採ることができる。
一 一部負担金を減額すること。
二 一部負担金の支払を免除すること。
三 保険医療機関等に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収すること
    とし、その徴収を猶予すること。
2 前項の措置を受けた被保険者は、第四十二条第一項及び前条第二項の規定
    にかかわらず、前項第一号の措置を受けた被保険者にあつては、その減額
    された一部負担金を保険医療機関等に支払うをもつて足り、同項第二号又
    は第三号の措置を受けた被保険者にあつては、一部負担金を保険医療機関
    等に支払うことを要しない。
3 第四十二条の二の規定は、前項の場合における一部負担金の支払について
    準用する。

(保険医療機関等の診療報酬)
第四十五条 保険者は、療養の給付に関する費用を保険医療機関等に支払うも
    のとし、保険医療機関等が療養の給付に関し保険者に請求することができ
    る費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し
    被保険者(第五十七条に規定する場合にあつては、世帯主又は組合員)が
    当該保険医療機関等に対して支払わなければならない一部負担金に相当す
    る額を控除した額とする。
2 前項の療養の給付に要する費用の額の算定については、健康保険法第四十
    三条ノ九第二項の規定による厚生大臣の定の例による。
3 保険者は、都道府県知事の認可を受け、保険医療機関との契約により、当
    該保険医療機関において行われる療養の給付に関する第一項の療養の給付
    に要する費用の額につき、前項の規定めにより算定めされる額の範囲内に
    おいて、別段の定めをすることができる。
4 保険者は、保険医療機関等から療養の給付に関する費用の請求があつたと
    きは、第四十条に規定めする準則並びに第二項に規定めする額の算定め方
    法及び前項の定めに照らして審査した上、支払うものとする。
5 保険者は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を都道府県の区域
    を区域とする国民健康保険団体連合会(加入している保険者の数がその区
    域内の保険者の総数の三分の二に達しないものを除く。)又は社会保険診
    療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療
    報酬支払基金に委託することができる。
6 前項の規定による委託を受けた国民健康保険団体連合会は、当該委託を受
    けた審査に関する事務のうち厚生大臣の定める診療報酬請求書の審査に係
    るものを、民法第三十四条の規定により設立された法人であつて、審査に
    関する組織その他の事項につき厚生省令で定める要件に該当し、当該事務
    を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして厚生大臣
    が指定するものに委託することができる。
7 前項の規定により厚生大臣の定める診療報酬請求書の審査に係る事務の委
    託を受けた者は、当該診療報酬請求書の審査を厚生省令で定める要件に該
    当する者に行わせなければならない。
8 前各項に規定するもののほか、保険医療機関等の療養の給付に関する費用
    の請求に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(健康保険法の準用)
第四十六条 健康保険法第四十三条ノ二、第四十三条ノ七、第四十三条ノ十及
    び第四十三条ノ十四第一項の規定は、本法による療養の給付について準用
    する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政
    令で定める。

(削除)
第四十七条 削除

(削除)
第四十八条 削除

(削除)
第四十九条 削除

(削除)
第五十条 削除

(削除)
第五十一条 削除

(入院時食事療養費)
第五十二条 保険者は、被保険者(老人保健法の規定による医療を受けること
    ができる者を除く。)が、自己の選定する保険医療機関について第三十六
    条第一項第五号に掲げる療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用
    について、世帯主又は組合員に対し、入院時食事療養費を支給する。ただ
    し、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に係る
    被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
2 入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき健康保険法第四十三条ノ十
    七第二項の規定による厚生大臣の定める基準の例により算定した費用の額
    (その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に
    食事療養に要した費用の額とする。)から、同項に規定する標準負担額
    (以下単に「標準負担額」という。)を控除した額とする。
3 被保険者が保険医療機関について食事療養を受けたときは、保険者は、そ
    の世帯主又は組合員が当該保険医療機関に支払うべき食事療養に要した費
    用について、入院時食事療養費として世帯主又は組合員に対し支給すべき
    額の限度において、世帯主又は組合員に代わり、当該保険医療機関に支払
    うことができる。
4 前項の規定による支払があつたときは、世帯主又は組合員に対し入院時食
    事療養費の支給があつたものとみなす。
5 保険医療機関は、食事療養に要した費用につき、その支払を受ける際、当
    該支払をした世帯主又は組合員に対し、厚生省令の定めるところにより、
    領収証を交付しなければならない。
6 健康保険法第四十三条ノ二、第四十三条ノ七及び第四十三条ノ十並びに本
    法第三十六条第三項、第四十条及び第四十五条第三項から第八項までの規
    定は、保険医療機関について受けた食事療養及びこれに伴う入院時食事療
    養費の支給について準用する。この場合において、これらの規定に関し必
    要な技術的読替えは、政令で定める。

(特定療養費)
第五十三条 保険者は、被保険者(老人保健法の規定による医療を受けること
    ができる者を除く。)が次の各号に掲げる療養を受けたときは、世帯主又
    は組合員に対し、その療養に要した費用について、特定療養費を支給する。
    ただし、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に
    係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
一 自己の選定する特定承認保険医療機関(健康保険法第四十四条第一項第一
    号に規定する特定承認保険医療機関をいう。以下同じ。)について受けた
    療養
二 自己の選定する保険医療機関等について受けた選定療養
2 特定療養費の額は、第一号に規定する額(当該療養に食事療養が含まれる
    ときは、当該額及び第二号に規定する額の合算額)とする。
一 当該療養(食事療養を除く。)につき健康保険法第四十四条第二項第一号
    の規定による厚生大臣の定めの例により算定した費用の額(その額が現に
    当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の
    額とする。)から、その額に第四十二条第一項各号の区分に応じ、同項各
    号に掲げる割合(第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合が減ぜ
    られたときは、当該減ぜられた割合とする。)を乗じて得た額(療養の給
    付について第四十四条第一項各号の措置が採られるべきときは、当該措置
    が採られたものとした場合の額とする。)を控除した額
二 当該食事療養につき健康保険法第四十三条ノ十七第二項の規定による厚生
    大臣の定める基準の例により算定した費用の額(その額が現に当該食事療
    養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額
    とする。)から、標準負担額を控除した額
3 被保険者が特定承認保険医療機関について療養を受け、又は保険医療機関
    等について選定療養を受けたときは、保険者は、その世帯主又は組合員が
    当該特定承認保険医療機関又は保険医療機関等に支払うべき療養に要した
    費用について、特定療養費として世帯主又は組合員に対し支給すべき額の
    限度において、世帯主又は組合員に代わり、当該特定承認保険医療機関又
    は保険医療機関等に支払うことができる。
4 前項の規定による支払があつたときは、世帯主又は組合員に対し特定療養
    費の支給があつたものとみなす。
5 特定承認保険医療機関又は保険医療機関等は、第一項に規定する療養に要
    した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした世帯主又は組合員
    に対し、厚生省令の定めるところにより、領収証を交付しなければならな
    い。
6 健康保険法第四十三条ノ二、第四十三条ノ七及び第四十三条ノ十並びに本
    法第三十六条第三項、第四十条及び第四十五条第三項から第八項までの規
    定は、特定承認保険医療機関について受けた療養及びこれに伴う特定療養
    費の支給について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要
    な技術的読替えは、政令で定める。
7 健康保険法第四十三条ノ二、第四十三条ノ七及び第四十三条ノ十並びに本
    法第三十六条第三項、第四十条及び第四十五条第三項から第八項までの規
    定は、保険医療機関等について受けた選定療養及びこれに伴う特定療養費
    の支給について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な
    技術的読替えは、政令で定める。
8 第四十二条の二の規定は、第三項の場合において当該療養につき第二項の
    規定により算定した費用の額(その額が現に療養に要した費用の額を超え
    るときは、当該現に療養に要した費用の額とする。)から当該療養に要し
    た費用について特定療養費として支給される額に相当する額を控除した額
    の支払について準用する。

(療養費)
第五十四条 保険者は、療養の給付、入院時食事療養費の支給若しくは特定療
    養費の支給(以下この項及び次項において「療養の給付等」という。)を
    行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等及び
    特定承認保険医療機関以外の病院、診療所若しくは薬局その他の者につい
    て診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを
    得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給するこ
    とができる。ただし、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当
    該被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限り
    でない。
2 保険者は、被保険者が被保険者証を提出しないで保険医療機関等又は特定
    承認保険医療機関について診療又は薬剤の支給を受けた場合において、被
    保険者証を提出しなかつたことが、緊急その他やむを得ない理由によるも
    のと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給するものとする。
    ただし、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に
    係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
3 療養費の額は、当該療養(食事療養を除く。)について算定した費用の額
    から、その額に第四十二条第一項各号の区分に応じ、同項各号に掲げる割
    合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養について算定した費用の
    額から標準負担額を控除した額を基準として、保険者が定める。
4 前項の費用の額の算定については、療養の給付を受けるべき場合において
    は第四十五条第二項の規定を、入院時食事療養費の支給を受けるべき場合
    においては第五十二条第二項の規定を、特定療養費の支給を受けるべき場
    合においては前条第二項の規定を準用する。ただし、その額は、現に療養
    に要した費用の額を超えることができない。

(訪問看護療養費)
第五十四条の二 保険者は、被保険者(老人保健法の規定による医療を受ける
    ことができる者を除く。)が指定訪問看護事業者(健康保険法第四十四条
    ノ四第一項に規定する指定訪問看護事業者をいう。以下同じ。)について
    指定訪問看護(同項に規定する指定訪問看護をいう。以下同じ。)を受け
    たときは、世帯主又は組合員に対し、その指定訪問看護に要した費用につ
    いて、訪問看護療養費を支給する。ただし、当該被保険者の属する世帯の
    世帯主又は組合員が当該被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受け
    ている間は、この限りでない。
2 前項の訪問看護療養費は、厚生省令の定めるところにより保険者が必要と
    認める場合に限り、支給するものとする。
3 被保険者が指定訪問看護を受けようとするときは、自己の選定する指定訪
    問看護事業者に被保険者証を提出して、そのものについて受けるものとす
    る。
4 訪問看護療養費の額は、当該指定訪問看護につき健康保険法第四十四条ノ
    四第四項の規定による厚生大臣の定めの例により算定した費用の額から、
    その額に第四十二条第一項各号の区分に応じ、同項各号に掲げる割合(第
    四十三条第一項の規定により一部負担金の割合が減ぜられたときは、当該
    減ぜられた割合とする。)を乗じて得た額(療養の給付について第四十四
    条第一項各号の措置が採られるべきときは、当該措置が採られたものとし
    た場合の額とする。)を控除した額とする。
5 被保険者が指定訪問看護事業者について指定訪問看護を受けたときは、保
    険者は、その世帯主又は組合員が当該指定訪問看護事業者に支払うべき当
    該指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費として世帯主又は
    組合員に対し支給すべき額の限度において、世帯主又は組合員に代わり、
    当該指定訪問看護事業者に支払うことができる。
6 前項の規定による支払があつたときは、世帯主又は組合員に対し訪問看護
    療養費の支給があつたものとみなす。
7 第四十二条の二の規定は、第五項の場合において第四項の規定により算定
    した費用の額から当該指定訪問看護に要した費用について訪問看護療養費
    として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。
8 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護に要した費用につき、その支払を受
    ける際、当該支払をした世帯主又は組合員に対し、厚生省令の定めるとこ
    ろにより、領収証を交付しなければならない。
9 保険者は、指定訪問看護事業者から訪問看護療養費の請求があつたときは、
    第四項に規定する額の算定方法及び次項に規定する準則に照らして審査し
    た上、支払うものとする。
10 指定訪問看護事業者が、国民健康保険の指定訪問看護を提供する場合の
    準則については、健康保険法第四十四条ノ八第二項に規定する指定訪問看
    護の事業の運営に関する基準  (指定訪問看護の取扱いに関する部分に限
    る。)の例によるものとし、これにより難いとき又はよることが適当と認
    められないときの準則については、厚生省令で定める。
11 指定訪問看護は、第三十六条第一項各号に掲げる療養に含まれないもの
    とする。
12 健康保険法第四十四条ノ七、第四十四条ノ八第四項及び第四十四条ノ十
    並びに本法第四十五条第五項から第八項までの規定は、指定訪問看護事業
    者について受けた指定訪問看護及びこれに伴う訪問看護療養費の支給につ
    いて準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替
    えは、政令で定める。

(特別療養費)
第五十四条の三 保険者は、世帯主又は組合員がその世帯に属する被保険者に
    係る被保険者資格証明書の交付を受けている場合において、当該被保険者
    が保険医療機関等若しくは特定承認保険医療機関又は指定訪問看護事業者
    について療養を受けたときは、世帯主又は組合員に対し、その療養に要し
    た費用について、特別療養費を支給する。
2 健康保険法第四十三条ノ二、第四十三条ノ七、第四十三条ノ十、第四十四
    条ノ七及び第四十四条ノ十並びに本法第三十六条第三項、第四十条、第四
    十五条第三項、第五十三条第二項及び第五項並びに第五十四条の二第三項、
    第八項及び第十項の規定は、保険医療機関等若しくは特定承認保険医療機
    関又は指定訪問看護事業者について受けた特別療養費に係る療養及びこれ
    に伴う特別療養費の支給について準用する。この場合において、第五十三
    条第二項中「特定療養費の額」とあるのは「特別療養費の額」と、「健康
    保険法第四十四条第二項第一号」とあるのは「、被保険者証が交付されて
    いるならば療養の給付を受けることができる場合は健康保険法第四十三条
    ノ九第二項の規定による厚生大臣の定めの例により、被保険者証が交付さ
    れているならば特定療養費の支給を受けることができる場合は同法第四十
    四条第二項第一号の規定による厚生大臣の定めの例により、被保険者証が
    交付されているならば訪問看護療養費の支給を受けることができる場合は
    同法第四十四条ノ四第四項」と読み替えるほか、その他の規定に関し必要
    な技術的読替えは、政令で定める。
3 第一項に規定する場合において、当該世帯主又は組合員に対し当該被保険
    者に係る被保険者証が交付されているとすれば第五十四条第一項の規定が
    適用されることとなるときは、保険者は、療養費を支給することができる。
4 第一項に規定する場合において、被保険者が被保険者資格証明書を提出し
    ないで保険医療機関等又は特定承認保険医療機関について診療又は薬剤の
    支給を受け、被保険者資格証明書を提出しなかつたことが、緊急その他や
    むを得ない理由によるものと認めるときは、保険者は、療養費を支給する
    ものとする。
5 第五十四条第三項及び第四項の規定は、前二項の規定による療養費につい
    て準用する。この場合において、同条第四項中「療養の給付を受けるべき
    場合」とあるのは「被保険者証が交付されているならば療養の給付を受け
    ることができる場合」と、「入院時食事療養費の支給を受けるべき場合」
    とあるのは「被保険者証が交付されているならば入院時食事療養費の支給
    を受けることができる場合」と、「特定療養費の支給を受けるべき場合」
    とあるのは「被保険者証が交付されているならば特定療養費の支給を受け
    ることができる場合」と読み替えるものとする。

(移送費)
第五十四条の四 保険者は、被保険者(老人保健法の規定による医療を受ける
    ことができる者を除く。)が療養の給付(特定療養費に係る療養及び特別
    療養費に係る療養を含む。)を受けるため病院又は診療所に移送されたと
    きは、世帯主又は組合員に対し、移送費として、厚生省令の定めるところ
    により算定した額を支給する。
2 前項の移送費は、厚生省令の定めるところにより保険者が必要であると認
    める場合に限り、支給するものとする。

(退職被保険者等に係る特例療養費)
第五十四条の五 市町村は、退職被保険者又はその被扶養者が保険医療機関等
    について療養の給付を受け、その際、当該給付に要する費用の額に第四十
    二条第一項第一号に掲げる割合を乗じて得た額を一部負担金として当該保
    険医療機関等に支払つた場合において、退職被保険者又はその被扶養者で
    ある旨が記載された被保険者証を提出しなかつたことがやむを得ない理由
    によるものと認めるときは、同項第二号又は第三号ロの区分に従い、既に
    支払われた一部負担金の額から当該給付に要する費用の額に同項第二号又
    は第三号ロに掲げる割合を乗じて得た額を控除した額を、特例療養費とし
    て支給するものとする。

(被保険者が日雇労働者又はその被扶養者となつた場合)
第五十五条 被保険者が第六条第五号に該当するに至つたためその資格を喪失
    した場合において、その資格を喪失した際現に療養の給付、入院時食事療
    養費に係る療養、特定療養費に係る療養、訪問看護療養費に係る療養若し
    くは特別療養費に係る療養又は老人保健法の規定による医療、入院時食事
    療養費に係る療養、特定療養費に係る療養、老人保健施設療養費に係る療
    養若しくは老人訪問看護療養費に係る療養を受けていたときは、その者は、
    当該疾病又は負傷及びこれによつて発した疾病について当該保険者から療
    養の給付、入院時食事療養費の支給、特定療養費の支給、訪問看護療養費
    の支給、特別療養費の支給又は移送費の支給を受けることができる。
2 前項の規定による療養の給付、入院時食事療養費の支給、特定療養費の支
    給、訪問看護療養費の支給、特別療養費の支給又は移送費の支給は、次の
    各号のいずれかに該当するに至つたときは、行わない。
一 当該疾病又は負傷につき、健康保険法第四章の二の規定による療養の給付、
    入院時食事療養費の支給、特定療養費の支給、訪問看護療養費の支給、移
    送費の支給、家族療養費の支給、家族訪問看護療養費の支給若しくは家族
    移送費の支給又は老人保健法の規定による医療、入院時食事療養費の支給、
    特定療養費の支給、老人保健施設療養費の支給、老人訪問看護療養費の支
    給若しくは移送費の支給(次項後段の規定に該当する場合における医療、
    入院時食事療養費の支給、特定療養費の支給、老人保健施設療養費の支給、
    老人訪問看護療養費の支給又は移送費の支給を除く。)を受けることがで
    きるに至つたとき。
二 その者が、第六条第一号から第四号まで、第六号又は第八号のいずれかに
    該当するに至つたとき。
三 その者が、他の保険者の被保険者となつたとき。
四 被保険者の資格を喪失した日から起算して六箇月を経過したとき。
3 第一項の規定による療養の給付、入院時食事療養費の支給、特定療養費の
    支給、訪問看護療養費の支給、特別療養費の支給又は移送費の支給は、当
    該疾病又は負傷につき、健康保険法第四章の二の規定による特別療養費の
    支給又は移送費の支給を受けることができる間は、行わない。老人保健法
    第二十五条第一項各号に掲げる者であつて、健康保険法第六十九条の二十
    六第一項の規定に該当するものが、当該疾病又は負傷につき、老人保健法
    の規定による医療、入院時食事療養費の支給、特定療養費の支給、老人保
    健施設療養費の支給、老人訪問看護療養費の支給又は移送費の支給を受け
    ることができる間も、同様とする。

(他の法令による医療に関する給付との調整)
第五十六条 療養の給付又は入院時食事療養費、特定療養費、訪問看護療養費、
    特別療養費若しくは移送費の支給は、被保険者の当該疾病又は負傷につき、
    健康保険法、船員保険法、国家公務員等共済組合法(他の法律において準
    用し、又は例による場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法の規定に
    よつて、医療に関する給付を受けることができる場合には、行わない。労
    働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の規定による療養補償、労働者
    災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による療養補償給付
    若しくは療養給付、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一
    号。他の法律において準用する場合を含む。)の規定による療養補償、地
    方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)若しくは同法に基
    づく条例の規定による療養補償その他政令で定める法令による医療に関す
    る給付を受けることができるとき、又はこれらの法令以外の法令により国
    若しくは地方公共団体の負担において医療に関する給付が行われたときも、
    同様とする。
2 保険者は、前項に規定する法令による給付が医療に関する現物給付である
    場合において、その給付に関し一部負担金の支払若しくは実費徴収が行わ
    れ、かつ、その一部負担金若しくは実費徴収の額が、その給付がこの法律
    による療養の給付として行われたものとした場合におけるこの法律による
    一部負担金の額(第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合が減ぜ
    られているときは、その減ぜられた割合による一部負担金の額)を超える
    とき、又は前項に規定する法令による給付が医療費の支給である場合にお
    いて、その支給額が、当該療養につきこの法律による入院時食事療養費、
    特定療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費又は移送費の支給をす
    べきものとした場合における入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪
    問看護療養費、特別療養費又は移送費の額に満たないときは、それぞれそ
    の差額を当該被保険者に支給しなければならない。
3 前項の場合において、被保険者が保険医療機関等又は特定承認保険医療機
    関について当該療養を受けたときは、保険者は、同項の規定により被保険
    者に支給すべき額の限度において、当該被保険者が保険医療機関等又は特
    定承認保険医療機関に支払うべき当該療養に要した費用を、当該被保険者
    に代わつて保険医療機関等又は特定承認保険医療機関に支払うことができ
    る。ただし、当該保険者が第四十三条第一項の規定により一部負担金の割
    合を減じているときは、被保険者が同条第二項に規定する保険医療機関等
    について当該療養を受けた場合に限る。
4 前項の規定により保険医療機関等又は特定承認保険医療機関に対して費用
    が支払われたときは、その限度において、被保険者に対し第二項の規定に
    よる支給が行われたものとみなす。

(世帯主又は組合員でない被保険者に係る一部負担金等)
第五十七条 一部負担金の支払又は納付、第四十三条第三項又は前条第二項の
    規定による差額の支給並びに療養費及び特例療養費の支給に関しては、当
    該疾病又は負傷が世帯主又は組合員でない被保険者に係るものであるとき
    は、これらの事項に関する各本条の規定にかかわらず、当該被保険者の属
    する世帯の世帯主又は組合員が一部負担金を支払い、又は納付すべき義務
    を負い、及び当該世帯主又は組合員に対して第四十三条第三項若しくは前
    条第二項の規定により差額、療養費又は特例療養費を支給するものとする。

(高額療養費)
第五十七条の二 保険者は、被保険者の療養(食事療養を除く。次項において
    同じ。)に要した費用が著しく高額であるときは、世帯主又は組合員に対
    し、高額療養費を支給する。ただし、当該療養について療養の給付、特定
    療養費の支給、療養費の支給、訪問看護療養費の支給若しくは特別療養費
    の支給又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を受けなかつたとき
    は、この限りでない。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事
    項は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定
    める。

第二節 その他の給付

第五十八条 保険者は、被保険者の出産及び死亡に関しては、条例又は規約の
    定めるところにより、出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬
    祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部
    又は一部を行わないことができる。
2 保険者は、前項の保険給付のほか、条例又は規約の定めるところにより、
    傷病手当金の支給その他の保険給付を行うことができる。

第三節 保険給付の制限

第五十九条 被保険者又は被保険者であつた者が、次の各号のいずれかに該当
    する場合には、その期間に係る療養の給付又は入院時食事療養費、特定療
    養費、訪問看護療養費、特別療養費若しくは移送費の支給(以下この節に
    おいて「療養の給付等」という。)は、行わない。
一 日本国外にあるとき。
二 少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。
三 監獄、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。

第六十条 被保険者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に疾病にかか
    り、又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等は、行わ
    ない。

第六十一条 被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によつて疾病にかかり、
    又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等は、その全部
    又は一部を行わないことができる。

第六十二条 保険者は、被保険者又は被保険者であつた者が、正当な理由なし
    に療養に関する指示に従わないときは、療養の給付等の一部を行わないこ
    とができる。

第六十三条 保険者は、被保険者若しくは被保険者であつた者又は保険給付を
    受ける者が、正当な理由なしに、第六十六条の規定による命令に従わず、
    又は答弁若しくは受診を拒んだときは、療養の給付等の全部又は一部を行
    わないことができる。

第六十三条の二 保険者は、保険給付(第四十三条第三項又は第五十六条第二
    項の規定による差額の支給を含む。以下同じ。)を受けることができる世
    帯主又は組合員が、災害その他の政令で定める特別の事情がないのに保険
    料を滞納しているときは、厚生省令で定めるところにより、保険給付の全
    部又は一部の支払を一時差し止めることができる。

第四節 雑則

(損害賠償請求権)
第六十四条 保険者は、給付事由が第三者の行為によつて生じた場合において、
    保険給付を行つたときは、その給付の価額(当該保険給付が療養の給付で
    あるときは、当該療養の給付に要する費用の額から当該療養の給付に関し
    被保険者が負担しなければならない一部負担金に相当する額を控除した額
    とする。次条第一項において同じ。)の限度において、被保険者が第三者
    に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
2 前項の場合において、保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由に
    ついて損害賠償を受けたときは、保険者は、その価額の限度において、保
    険給付を行う責を免かれる。
3 保険者は、第一項の規定により取得した請求権に係る損害賠償金の徴収又
    は収納の事務を第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会であ
    つて厚生省令の定めるものに委託することができる。

(不正利得の徴収等)
第六十五条 偽りその他不正の行為によつて保険給付を受けた者があるときは、
    保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することがで
    きる。
2 前項の場合において、保険医療機関若しくは特定承認保険医療機関におい
    て診療に従事する保険医又は健康保険法第四十四条ノ四第一項に規定する
    主治の医師が、保険者に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、
    その保険給付が行われたものであるときは、保険者は、当該保険医又は主
    治の医師に対し、保険給付を受けた者に連帯して同項の徴収金を納付すべ
    きことを命ずることができる。
3 保険者は、保険医療機関等若しくは特定承認保険医療機関又は指定訪問看
    護事業者が偽りその他不正の行為によつて療養の給付に関する費用の支払
    又は第五十二条第三項、第五十三条第三項若しくは第五十四条の二第五項
    の規定による支払を受けたときは、当該保険医療機関等若しくは特定承認
    保険医療機関又は指定訪問看護事業者に対し、その支払つた額につき返還
    させるほか、その返還させる額に百分の十を乗じて得た額を支払わせるこ
    とができる。

(強制診断等)
第六十六条 保険者は、保険給付を行うにつき必要があると認めるときは、当
    該被保険者若しくは被保険者であつた者又は保険給付を受ける者に対し、
    文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問若しく
    は診断をさせることができる。

(受給権の保護)
第六十七条 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押え
    ることができない。

(租税その他の公課の禁止)
第六十八条 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準と
    して、課することができない。

第四章の二 指定市町村の安定化計画

第六十八条の二 厚生大臣は、毎年度につき、政令の定めるところにより、療
    養の給付並びに入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護療養費、
    特別療養費、移送費及び高額療養費の支給に要する費用並びに老人保健法
    の規定による医療費拠出金(以下「老人保健医療費拠出金」という。)の
    納付に要する費用(以下この条において「療養の給付等に要する費用」と
    いう。)の額が被保険者の数及び年齢階層別の分布状況その他の事情を勘
    案してもなお著しく多額となると見込まれる市町村であつて、療養の給付
    等に要する費用の適正化その他の国民健康保険事業の運営の安定化のため
    の措置を特に講ずる必要があると認められるものを指定市町村として指定
    する。
2 厚生大臣は、前項の指定をしようとするときは、都道府県の意見を聴かな
    ければならない。
3 指定市町村は、厚生大臣の定める指針に従い、国民健康保険事業の運営の
    安定化に関する計画(以下「安定化計画」という。)を定めるとともに、
    その安定化計画に従い、療養の給付等に要する費用の適正化その他の国民
    健康保険事業の運営の安定化のための措置を講じなければならない。
4 指定市町村は、前項に規定する措置を講ずるに当たつては、他の市町村、
    組合、第六条第一号から第三号までに掲げる法律の規定による保険者又は
    共済組合その他の関係者との連携を図ることにより、その効果的な実施に
    努めるものとする。
5 都道府県は、指定市町村に対して安定化計画の作成に関し必要な助言及び
    指導を行うとともに、安定化計画の達成に必要な措置を定め、当該措置に
    基づいて必要な施策を実施しなければならない。
6 国は、指定市町村に対しては安定化計画の作成に関し、都道府県に対して
    は前項に規定する措置に関し必要な助言及び指導を行うとともに、安定化
    計画の達成に必要な措置を講じなければならない。

第五章 費用等

第一節 費用の負担

(国の負担)
第六十九条 国は、政令の定めるところにより、保険者に対して国民健康保険
    の事務(老人保健法の規定による拠出金 (以下 「老人保健拠出金」とい
    う。)の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。

第七十条 国は、政令の定めるところにより、市町村に対し、療養の給付並び
    に入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、
    移送費及び高額療養費の支給に要する費用並びに老人保健医療費拠出金の
    納付に要する費用について、次の各号に掲げる額の合算額の百分の四十を
    負担する。
一 一般被保険者に係る療養の給付に要する費用の額から当該給付に係る一部
    負担金に相当する額を控除した額並びに入院時食事療養費、特定療養費、
    療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費及び高額療養費の支給に要
    する費用の額の合算額から第七十二条の二第一項の規定による繰入金の二
    分の一に相当する額を控除した額
二 老人保健医療費拠出金の納付に要する費用の額
2 第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合を減じている市町村及び
    都道府県又は市町村が被保険者の全部又は一部について、その一部負担金
    に相当する額の全部又は一部を負担することとしている市町村に対する前
    項の規定の適用については、同項第一号に掲げる額は、当該一部負担金の
    割合の軽減又は一部負担金に相当する額の全部若しくは一部の負担の措置
    が講ぜられないものとして、政令の定めるところにより算定した同号に掲
    げる額に相当する額とする。
3 第六十八条の二第一項の規定により指定を受けた市町村であつて、当該指
    定に係る年度(以下「指定年度」という。)の第一号に掲げる額が指定年
    度の第二号に掲げる額に政令で定める率を乗じて得た額を超えるものに対
    して指定年度の翌々年度において国が負担する額は、前二項の規定により
    算定した額からその超える額(その額が国民健康保険事業の運営に与える
    影響の程度その他の事情を勘案して政令の定めるところにより算定した額
    を超えるときは、当該算定した額。以下「基準超過費用額」という。)の
    百分の四十に相当する額を控除した額とする。
一 次に掲げる額の合算額(災害その他の政令で定める特別の事情により当該
    合算額が多額となつたときは、当該合算額から当該事情により多額となつ
    た部分の額として政令の定めるところにより算定した額を控除した額)(P)
    (a) イ 一般被保険者に係る療養の給付に要した費用の額から当該給付に
    係る一部負担金に相当する額を控除した額並びに入院時食事療養費、特定
    療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費及び高額療養費の
    支給に要した費用の額の合算額(P) (a) ロ 老人保健法の規定による確定
    医療費拠出金の額
二 次に掲げる額の合算額(P) (a) イ 政令の定めるところにより、年齢階層
    ごとに、当該年齢階層に係る平均一人当たり給付額に当該市町村の当該年
    齢階層に属する一般被保険者(老人保健法の規定による医療を受けること
    ができる者を除く。)の数を乗じて得た額の合算額として算定した額(P)
    (a) ロ 政令の定めるところにより、年齢階層ごとに、当該年齢階層に係
    る平均一人当たり老人医療費額に当該市町村の当該年齢階層に属する被保
    険者(老人保健法の規定による医療を受けることができる者に限る。)の
    数を乗じて得た額の合算額に、当該市町村に係る指定年度の同法第五十六
    条第三項の確定加入者調整率を乗じて得た額の十分の七に相当する額とし
    て算定した額
4 前項の政令で定める率は、すべての市町村に係る同項第二号に掲げる額に
    対する同項第一号に掲げる額の比率の状況等からみて、その比率が著しく
    大きい指定市町村について同項の規定が適用されるように定めるものとす
    る。
5 第三項第二号イの「平均一人当たり給付額」とは、すべての市町村の一般
    被保険者(老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)
    に係る同項第一号イに掲げる額の合算額を当該一般被保険者の数で除して
    得た額をいい、同項第二号ロの「平均一人当たり老人医療費額」とは、同
    法第四十七条の規定により支弁が行われたすべての市町村の被保険者(同
    法の規定による医療を受けることができる者に限る。)に対する同条に規
    定する医療等に要する費用の額の合算額を当該被保険者の数で除して得た
    額をいう。

(国庫負担金の減額)
第七十一条 市町村が確保すべき収入を不当に確保しなかつた場合においては、
    国は、政令の定めるところにより、前条の規定により当該市町村に対して
    負担すべき額を減額することができる。
2 前項の規定により減額する額は、不当に確保しなかつた額をこえることが
    できない。

(調整交付金)
第七十二条 国は、国民健康保険の財政を調整するため、政令の定めるところ
    により、市町村に対して調整交付金を交付する。
2 前項の規定による調整交付金の総額は、次の各号に掲げる額の合算額とす
    る。
一 第七十条第一項第一号に掲げる額(同条第二項の規定の適用がある場合に
    あつては、同項の規定を適用して算定した額)及び同条第一項第二号に掲
    げる額の合算額の見込額の総額から前々年度の基準超過費用額の総額を控
    除した額の百分の十に相当する額
二 次条第一項の規定による繰入金の総額の四分の一に相当する額

(国民健康保険に関する特別会計への繰入れ等)
第七十二条の二 市町村は、政令の定めるところにより、一般会計から、所得
    の少ない者について条例の定めるところにより行う保険料の減額賦課又は
    地方税法第七百三条の五に規定する国民健康保険税の減額に基づき一般被
    保険者に係る保険料又は同法の規定による国民健康保険税につき減額した
    額の総額を基礎とし、国民健康保険の財政の状況その他の事情を勘案して
    政令の定めるところにより算定した額を国民健康保険に関する特別会計に
    繰り入れなければならない。
2 国は、政令の定めるところにより、前項の規定による繰入金の二分の一に
    相当する額を負担する。
3 都道府県は、政令の定めるところにより、第一項の規定による繰入金の四
    分の一に相当する額を負担する。

第七十二条の三 第七十条第三項に規定する市町村は、指定年度の翌々年度に
    おいて、政令の定めるところにより、一般会計から、当該指定年度の基準
    超過費用額の二分の一に相当する額を国民健康保険に関する特別会計に繰
    り入れなければならない。
2 国及び都道府県は、政令の定めるところにより、前項の規定による繰入金
    の三分の一に相当する額をそれぞれ負担する。

(療養給付費交付金)
第七十二条の四 市町村が負担する費用のうち、退職被保険者及びその被扶養
    者(以下「退職被保険者等」という。)に係る療養の給付に要する費用の
    額から当該給付に係る一部負担金に相当する額を控除した額並びに入院時
    食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費
    及び高額療養費の支給に要する費用の額の合算額から、退職被保険者等に
    係る保険料に相当する額の合算額を控除した額(以下「被用者保険等拠出
    対象額」という。)については、政令で定めるところにより、社会保険診
    療報酬支払基金(以下「基金」という。)が市町村に対して交付する療養
    給付費交付金をもつて充てる。
2 前項の療養給付費交付金は、第八十一条の二の規定により基金が徴収する
    療養給付費拠出金をもつて充てる。

(療養給付費交付金の減額)
第七十二条の五 厚生大臣は、市町村の退職被保険者等に係る国民健康保険事
    業の運営に関し、市町村が確保すべき収入を不当に確保しなかつた場合又
    は市町村が支出すべきでない経費を不当に支出した場合においては、政令
    の定めるところにより、基金に対し、前条第一項の規定により当該市町村
    に対して交付する同項の療養給付費交付金の額を減額することを命ずるこ
    とができる。
2 前項の規定により減額する額は、不当に確保しなかつた額又は不当に支出
    した額を超えることができない。

(組合に対する補助)
第七十三条 国は、政令の定めるところにより、組合に対し、療養の給付並び
    に入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、
    移送費及び高額療養費の支給に要する費用並びに老人保健医療費拠出金の
    納付に要する費用について、次の各号に掲げる額の合算額の百分の三十二
    を補助することができる。
一 療養の給付に要する費用の額から当該給付に係る一部負担金に相当する額
    を控除した額並びに入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護療
    養費、特別療養費、移送費及び高額療養費の支給に要する費用の額の合算
    額
二 老人保健医療費拠出金の納付に要する費用の額
2 第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合を減じている組合及び組
    合員の全部又は一部について、その一部負担金に相当する額の全部又は一
    部を負担することとしている組合に対する前項の規定の適用については、
    同項第一号に掲げる額は、当該一部負担金の割合の軽減又は一部負担金に
    相当する額の全部若しくは一部の負担の措置が講ぜられないものとして、
    政令の定めるところにより算定した同号に掲げる額に相当する額とする。
3 国は、第一項の補助をする場合において、政令の定めるところにより、組
    合の財政力等を勘案して、同項の補助の額を増額することができる。
4 前項の規定により増額することができる補助の額の総額は、第一項第一号
    に掲げる額(第二項の規定の適用がある場合にあつては、同項の規定を適
    用して算定した額)及び第一項第二号に掲げる額の合算額の見込額の総額
    の百分の十五に相当する額の範囲内の額とする。

(国の補助)
第七十四条 国は、第六十九条、第七十条、第七十二条、第七十二条の二第二
    項、第七十二条の三第二項及び前条に規定するもののほか、予算の範囲内
    において、保健婦に要する費用についてはその三分の一を、国民健康保険
    事業に要するその他の費用についてはその一部を補助することができる。

(都道府県及び市町村の補助及び貸付)
第七十五条 都道府県及び市町村は、第七十二条の二第三項及び第七十二条の
    三第二項に規定するもののほか、国民健康保険事業に要する費用(老人保
    健拠出金の納付に要する費用を含む。)に対し、補助金を交付し、又は貸
    付金を貸し付けることができる。

(保険料)
第七十六条 保険者は、国民健康保険事業に要する費用(老人保健拠出金の納
    付に要する費用を含み、第八十一条の二第一項の規定により厚生大臣が定
    める組合にあつては、同条第二項の規定による拠出金の納付に要する費用
    を、健康保険法第七十九条ノ十五に規定する組合にあつては、同法の規定
    による日雇拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、世帯主又
    は組合員から保険料を徴収しなければならない。ただし、地方税法の規定
    により国民健康保険税を課するときは、この限りでない。

(保険料の減免等)
第七十七条 保険者は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由があ
    る者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。

(地方税法の準用)
第七十八条 保険料その他この法律の規定による徴収金(第八十一条の二第一
    項に規定する拠出金を除く。)については、地方税法第九条、第十三条の
    二、第二十条、第二十条の二及び第二十条の四の規定を準用する。

(督促及び延滞金の徴収)
第七十九条 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納した者に対して
    は、組合は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、
    前条において準用する地方税法第十三条の二第一項の規定により繰上徴収
    をするときは、この限りでない。
2 前項の規定によつて督促をしようとするときは、組合は、納付義務者に対
    して督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、
    地方税法第十三条の二第一項各号のいずれかに該当する場合を除き、督促
    状を発する日から起算して十日以上を経過した日でなければならない。
3 前項の規定によつて督促をしたときは、組合は、規約の定めるところによ
    り、延滞金を徴収することができる。

(滞納処分)
第七十九条の二 市町村が徴収する保険料その他この法律の規定による徴収金
    は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十一条の三第三
    項に規定する法律で定める歳入とする。

第八十条 第七十九条の規定による督促又は地方税法第十三条の二第一項各号
    のいずれかに該当したことによる繰上徴収の告知を受けた納付義務者が、
    その指定の期限までに当該徴収金を完納しないときは、組合は、都道府県
    知事の認可を受けてこれを処分し、又は納付義務者の住所地又はその財産
    の所在地の市町村に対しこれの処分を請求することができる。
2 前項の規定により組合が処分を行う場合においては、地方自治法第二百三
    十一条の三第三項前段及び第十項の規定を準用する。
3 第一項の規定により組合が市町村に対し処分の請求を行つた場合において
    は、市町村は、市町村が徴収する保険料の例によつて、これを処分する。
    この場合においては、組合は、徴収金額の百分の四に相当する金額を当該
    市町村に交付しなければならない。
4 保険料その他この法律の規定による組合の徴収金の先取特権の順位は、国
    税及び地方税に次ぐものとする。

(条例又は規約への委任)
第八十一条 この章に規定するもののほか、賦課額、料率、賦課期日、納期、
    減額賦課その他保険料の賦課及び徴収等に関する事項は、政令で定める基
    準に従つて条例又は規約で定める。

第二節 退職被保険者等に係る被用者保険等保険者の拠出金

(拠出金の徴収及び納付義務)
第八十一条の二 基金は、第八十一条の十第一項に規定する業務及び当該業務
    に関する事務の処理に要する費用に充てるため、年度(毎年四月一日から
    翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)ごとに、健康保険法の規定に
    よる保険者、船員保険法の規定による保険者、第六条第三号に規定する共
    済組合及び健康保険法第十三条ノ二第二項の規定による承認を受けて同法
    の被保険者とならない者を組合員とする組合であつて厚生大臣が定めるも
    の(以下「被用者保険等保険者」という。)から、療養給付費拠出金及び
    事務費拠出金(以下「拠出金」という。)を徴収する。
2 被用者保険等保険者は、拠出金を納付する義務を負う。

(療養給付費拠出金の額)
第八十一条の三 前条第一項の規定により被用者保険等保険者から徴収する療
    養給付費拠出金の額は、当該年度の概算療養給付費拠出金の額とする。た
    だし、前々年度の概算療養給付費拠出金の額が前々年度の確定療養給付費
    拠出金の額を超えるときは、当該年度の概算療養給付費拠出金の額からそ
    の超える額とその超える額に係る調整金額との合計額を控除して得た額と
    するものとし、前々年度の概算療養給付費拠出金の額が前々年度の確定療
    養給付費拠出金の額に満たないときは、当該年度の概算療養給付費拠出金
    の額にその満たない額とその満たない額に係る調整金額との合計額を加算
    して得た額とする。
2 前項に規定する調整金額は、前々年度におけるすべての被用者保険等保険
    者に係る概算療養給付費拠出金の額と確定療養給付費拠出金の額との過不
    足額につき生ずる利子その他の事情を勘案して厚生省令で定めるところに
    より各被用者保険等保険者ごとに算定される額とする。

(概算療養給付費拠出金)
第八十一条の四 前条第一項の概算療養給付費拠出金の額は、被用者保険等保
    険者ごとの当該年度の標準報酬総額(健康保険法の規定による保険者又は
    船員保険法の規定による保険者にあつては、被保険者ごとのこれらの法律
    に規定する標準報酬月額の当該年度の合計額の総額とし、第六条第三号に
    規定する共済組合にあつては、組合員ごとの同号に規定する法律に規定す
    る標準報酬、給料又は標準給与の月額の当該年度の合計額の総額を、組合
    にあつては、組合員ごとのこれらの報酬に相当するものとして厚生省令で
    定めるものの当該年度の合計額の総額を、それぞれ政令で定めるところに
    より補正して得た額とする。以下同じ。)の見込額として厚生省令で定め
    るところにより算定される額に概算拠出率を乗じて得た額とする。
2 前項の概算拠出率は、厚生省令で定めるところにより、当該年度の各市町
    村における被用者保険等拠出対象額の見込額の合計額を当該年度の被用者
    保険等保険者の標準報酬総額の見込額の合計額で除して得た率とする。

(確定療養給付費拠出金)
第八十一条の五 第八十一条の三第一項の確定療養給付費拠出金の額は、各被
    用者保険等保険者の前々年度の標準報酬総額に確定拠出率を乗じて得た額
    とする。
2 前項の確定拠出率は、厚生省令で定めるところにより、前々年度の各市町
    村における被用者保険等拠出対象額の合計額を前々年度の被用者保険等保
    険者の標準報酬総額の合計額で除して得た率とする。

(事務費拠出金の額)
第八十一条の六 第八十一条の二第一項の規定により各被用者保険等保険者か
    ら徴収する事務費拠出金の額は、厚生省令で定めるところにより、当該年
    度における第八十一条の十第一項に規定する基金の業務に関する事務の処
    理に要する費用の見込額に前々年度の各被用者保険等保険者の標準報酬総
    額を前々年度の被用者保険等保険者の標準報酬総額の合計額で除して得た
    率を乗じて得た額とする。

(通知等)
第八十一条の七 市町村は、厚生省令で定めるところにより、基金に対し、各
    年度における被用者保険等拠出対象額その他厚生省令で定める事項を通知
    しなければならない。
2 市町村は、前項の規定による通知の事務を第四十五条第五項に規定する者
    に委託することができる。

(老人保健法の準用)
第八十一条の八 老人保健法第五十八条から第六十二条まで、第七十九条第三
    項及び第四項並びに第八十条の規定は、拠出金に関して準用する。この場
    合において、これらの規定中「保険者」とあるのは、「被用者保険等保険
    者」と読み替えるものとする。

(削除)
第八十一条の九 削険

第三節 社会保険診療報酬支払基金の退職者医療関係業務

(基金の業務)
第八十一条の十 基金は、社会保険診療報酬支払基金法第十三条に規定する業
    務のほか、この法律の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 被用者保険等保険者から拠出金を徴収すること。
二 市町村に対し第七十二条の四第一項の療養給付費交付金を交付すること。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 前項に規定する業務は、退職者医療関係業務という。

(社会保険診療報酬支払基金法の適用の特例)
第八十一条の十一 第七十二条の五第一項に規定する命令は、社会保険診療報
    酬支払基金法第二十二条の規定の適用については、同法第二十一条第一項
    に規定する命令とみなし、退職者医療関係業務は、同法第二十三条第二項
    の規定の適用については、同法第十三条に規定する業務とみなす。

(老人保健法の準用)
第八十一条の十二 老人保健法第六十五条から第七十六条まで及び第七十八条
    の規定は、基金の退職者医療関係業務に関して準用する。この場合におい
    て、同法第六十五条中「保険者」とあるのは「被用者保険等保険者」と、
    同法第六十七条中「保険者」とあるのは「被用者保険等保険者」と、「加
    入者数」とあるのは「標準報酬総額」と、「第六十四条第一項第一号」と
    あるのは「国民健康保険法第八十一条の十第一項第一号」と、同法第七十
    一条第一項中「業務(第六十四条第二項に規定する業務を除く。次項及び
    次条第一項において同じ。)」とあるのは「業務」と、同条第三項中「第
    六十四条第一項第二号に掲げる業務又は同条第二項」とあるのは「国民健
    康保険法第八十一条の十第一項第二号」と、同法第七十六条第一項中「第
    六十五条」とあるのは「国民健康保険法第八十一条の十二において準用す
    る第六十五条」と読み替えるものとする。

第六章 保健事業

第八十二条 保険者は、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者の健
    康の保持増進のために必要な事業を行うように努めなければならない。
2 保険者は、被保険者の療養のために必要な用具の貸付けその他の被保険者
    の療養環境の向上のために必要な事業、保険給付のために必要な事業、被
    保険者の療養のための費用に係る資金の貸付けその他の必要な事業を行う
    ことができる。
3 組合は、前二項の事業に支障がない場合に限り、被保険者でない者に当該
    事業を利用させることができる。

第七章 国民健康保険団体連合会

(設立、人格及び名称)
第八十三条 保険者は、共同してその目的を達成するため、国民健康保険団体
    連合会(以下「連合会」という。)を設立することができる。
2 連合会は、法人とする。
3 連合会は、その名称中に「国民健康保険団体連合会」という文字を用いな
    ければならない。
4 連合会でない者は、「国民健康保険団体連合会」という名称又はこれに類
    する名称を用いてはならない。

(設立の認可等)
第八十四条 連合会を設立しようとするときは、当該連合会の区域をその区域
    に含む都道府県を統轄する都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 連合会は、設立の認可を受けた時に成立する。
3 都道府県の区域を区域とする連合会に、その区域内の三分の二以上の保険
    者が加入したときは、当該区域内のその他の保険者は、すべて当該連合会
    の会員となる。

(規約の記載事項)
第八十五条 連合会の規約には、次の各号に掲げる事項を記載しなければなら
    ない。
一 事業
二 名称
三 事務所の所在地
四 連合会の区域
五 会員の加入及び脱退に関する事項
六 経費の分担に関する事項
七 業務の執行及び会計に関する事項
八 役員に関する事項
九 総会又は代議員会に関する事項
十 準備金その他の財産に関する事項
十一 公告の方法
十二 前各号に掲げる事項のほか厚生省令で定める事項

(準用規定)
第八十六条 第十六条、第二十三条から第二十五条まで、第二十六条第一項、
    第二十七条から第三十五条まで及び第八十二条の規定は、連合会について
    準用する。この場合において、これらの規定中「組合員」とあるのは「会
    員たる保険者を代表する者」と、「組合会」とあるのは「総会又は代議員
    会」と、「組合会議員」とあるのは「総会又は代議員会の議員」と読み替
    えるものとする。

第八章 診療報酬審査委員会

(審査委員会)
第八十七条 第四十五条第五項の規定による委託を受けて診療報酬請求書の審
    査を行うため、都道府県の区域を区域とする連合会(加入している保険者
    の数がその区域内の保険者の総数の三分の二に達しないものを除く。)に、
    国民健康保険診療報酬審査委員会(以下「審査委員会」という。)を置く。

(審査委員会の組織)
第八十八条 審査委員会は、都道府県知事が定めるそれぞれ同数の保険医及び
    保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員並びに公益を代表する
    委員をもつて組織する。
2 委員は、都道府県知事が委嘱する。
3 前項の委嘱は、保険医及び保険薬剤師を代表する委員並びに保険者を代表
    する委員については、それぞれ関係団体の推薦によつて行わなければなら
    ない。

(審査委員会の権限)
第八十九条 審査委員会は、診療報酬請求書の審査を行うため必要があると認
    めるときは、都道府県知事の承認を得て、当該保険医療機関等若しくは特
    定承認保険医療機関に対して、報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提
    出若しくは提示を求め、又は当該保険医療機関等若しくは特定承認保険医
    療機関の開設者若しくは管理者、当該保険医療機関等若しくは特定承認保
    険医療機関において療養を担当する保険医若しくは保険薬剤師に対して、
    出頭若しくは説明を求めることができる。
2 連合会は、前項の規定により審査委員会に出頭した者に対し、旅費、日当
    及び宿泊料を支給しなければならない。ただし、当該保険医療機関等又は
    特定承認保険医療機関が提出した診療報酬請求書又は診療録その他の帳簿
    書類の記載が不備又は不当であつたため出頭を求められて出頭した者に対
    しては、この限りでない。

(省令への委任)
第九十条 この章に規定するもののほか、審査委員会に関して必要な事項は、
    厚生省令で定める。

第九章 審査請求

(審査請求)
第九十一条 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関す
    る処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金(拠出金
    を除く。)に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請
    求をすることができる。
2 前項の審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。

(審査会の設置)
第九十二条 国民健康保険審査会(以下「審査会」という。)は、各都道府県
    に置く。

(組織)
第九十三条 審査会は、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び
    公益を代表する委員各三人をもつて組織する。
2 委員は、非常勤とする。

(委員の任期)
第九十四条 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任
    者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。

(会長)
第九十五条 審査会に、公益を代表する委員のうちから委員が選挙する会長一
    人を置く。
2 会長に事故があるときは、前項の規定に準じて選挙された者が、その職務
    を代行する。

(定足数)
第九十六条 審査会は、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び
    公益を代表する委員一人以上を含む過半数の委員の出席がなければ、議事
    を開き、議決をすることができない。

(表決)
第九十七条 審査会の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数
    のときは、会長の決するところによる。

(管轄審査会)
第九十八条 審査請求は、当該処分をした保険者(第八十条第三項の規定によ
    る処分については、当該処分をした市町村とする。)の所在地の都道府県
    の審査会に対してしなければならない。
2 審査請求が管轄違であるときは、審査会は、すみやかに、事件を所轄の審
    査会に移送し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。
3 事件が移送されたときは、はじめから、移送を受けた審査会に審査請求が
    あつたものとみなす。

(審査請求の期間及び方式)
第九十九条 審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して六
    十日以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由に
    より、この期間内に審査請求をすることができなかつたことを疎明したと
    きは、この限りでない。

(保険者に対する通知)
第百条 審査会は、審査請求を受理したときは、原処分をした保険者及びその
    他の利害関係人に通知しなければならない。

(審理のための処分)
第百一条 審査会は、審理を行うため必要があると認めるときは、審査請求人
    若しくは関係人に対して報告若しくは意見を求め、その出頭を命じて審問
    し、又は医師若しくは歯科医師に診断若しくは検案をさせることができる。
2 都道府県は、前項の規定により審査会に出頭した関係人又は診断若しくは
    検案をした医師若しくは歯科医師に対し、政令の定めるところにより、旅
    費、日当及び宿泊料又は報酬を支給しなければならない。

(政令への委任)
第百二条 この章及び行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)に規定
    するもののほか、審査会及び審査請求の手続に関して必要な事項は、政令
    で定める。

(審査請求と請訟との関係)
第百三条 第九十一条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分につ
    いての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができな
    い。

第百四条から第百七条まで 削除

第十章 監督

(報告の徴収等)
第百八条 厚生大臣又は都道府県知事は、保険者又は連合会について、必要が
    あると認めるときは、その事業及び財産の状況に関する報告を徴し、又は
    当該職員に実地にその状況を検査させることができる。
2 前項の規定による検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示
    す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなけ
    ればならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈して
    はならない。

(組合等に対する監督)
第百九条 厚生大臣又は都道府県知事は、前条の規定により報告を徴し、又は
    検査した場合において、組合若しくは連合会の事業若しくは財産の管理若
    しくは執行が法令、規約若しくは厚生大臣若しくは都道府県知事の処分に
    違反していると認めるとき、確保すべき収入を不当に確保せず、不当に経
    費を支出し、若しくは不当に財産を処分する等著しく事業の適正な執行を
    欠くと認めるとき、又は組合若しくは連合会の役員がその事業若しくは財
    産の管理若しくは執行を明らかに怠つていると認めるときは、期間を定め
    て、組合若しくは連合会又はその役員に対し、その事業若しくは財産の管
    理若しくは執行について違反の是正又は改善のため必要な措置をとるべき
    旨を命ずることができる。
2 組合若しくは連合会又はその役員が前項の命令に違反したときは、厚生大
    臣又は都道府県知事は、当該組合又は連合会に対し、期間を定めて、その
    役員の全部又は一部の改任を命ずることができる。
3 組合又は連合会が前項の命令に違反したときは、厚生大臣又は都道府県知
    事は、同項の命令に係る役員を改任することができる。
4 組合又は連合会が第一項の規定による命令に違反したとき、又はその事業
    若しくは財産の状況によりその事業の継続が困難であると認めるときは、
    厚生大臣又は都道府県知事は、当該組合又は連合会の解散を命ずることが
    できる。

第十一章 雑則

(時効)
第百十条 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付
    を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効
    によつて消滅する。
2 保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収の告知又は督促は、民法
    第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を生ずる。

(期間の計算)
第百十一条 この法律又はこの法律に基く命令に規定する期間の計算について
    は、民法の期間に関する規定を準用する。

(戸籍に関する無料証明)
第百十二条 市町村長(特別区及び地方自治法第二百五十二条の十九第一項の
    指定都市にあつては、区長とする。)は、保険者又は保険給付を受ける者
    に対し、当該市町村の条例の定めるところにより、被保険者又は被保険者
    であつた者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。

(文書の提出等)
第百十三条 保険者は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要が
    あると認めるときは、世帯主若しくは組合員又はこれらであつた者に対し、
    文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させる
    ことができる。

(診療録の提示等)
第百十四条 厚生大臣又は都道府県知事は、保険給付に関して必要があると認
    めるときは、医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを
    使用する者に対し、その行つた診療、薬剤の支給又は手当に関し、報告若
    しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問
    させることができる。
2 厚生大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、療養の給付又
    は入院時食事療養費、特定療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費の
    支給を受けた被保険者又は被保険者であつた者に対し、当該療養の給付又
    は入院時食事療養費、特定療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費の
    支給に係る診療、調剤又は指定訪問看護の内容に関し、報告を命じ、又は
    当該職員に質問させることができる。

(準用規定)
第百十五条 第百八条第二項の規定は、前二条の規定による質問について、第
    百八条第三項の規定は、前二条の規定による権限について準用する。

(修学中の被保険者の特例)
第百十六条 修学のため一の市町村の区域内に住所を有する被保険者であつて、
    修学していないとすれば他の市町村の区域内に住所を有する他人と同一の
    世帯に属するものと認められるものは、第五条の規定にかかわらず、当該
    他の市町村の行なう国民健康保険の被保険者とし、かつ、この法律の適用
    については、当該世帯に属するものとみなす。

(児童福祉施設等に入所中の被保険者の特例)
第百十六条の二 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第
    一項第三号の規定による児童福祉施設への入所措置(同条第二項の規定に
    よる指定国立療養所等への治療等の委託措置を含む。)、身体障害者福祉
    法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第十八条第四項第三号の規定によ
    る身体障害者更生援護施設への入所措置、精神薄弱者福祉法(昭和三十五
    年法律第三十七号)第十六条第一項第二号の規定による精神薄弱者援護施
    設若しくは心身障害者福祉協会の設置する福祉施設への入所措置又は老人
    福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第十一条第一項第一号若しくは
    第二号の規定による養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームへの入所
    措置が採られたため一の市町村の区域内に住所を有するに至つた被保険者
    であつて、当該措置が採られた際現に他の市町村の区域内に住所を有して
    いたと認められるものは、第五条の規定にかかわらず、当該他の市町村が
    行う国民健康保険の被保険者とする。

(被保険者証の交付に関する特例)
第百十七条 特別区及び政令で指定する市は、その区域内に住所を有するに至
    つたことにより被保険者の資格を取得した者について、第九条第二項の規
    定による被保険者証の交付の求があつた場合においては、条例の定めると
    ころにより、その求があつた日から起算して三箇月の範囲内において条例
    で定める期間を経過するまでの間において被保険者証を交付するものとす
    ることができる。

(特別区に関する特例)
第百十八条 都は、政令の定めるところにより、特別区の行う国民健康保険事
    業の運営(老人保健拠出金の納付の事業を含む。)につき、条例で、特別
    区相互の間の調整上必要な措置を講じなければならない。

(指定市町村に廃置分合があつた場合の特例)
第百十八条の二 第六十八条の二第一項の規定により指定を受けた市町村につ
    き廃置分合があつた場合における当該廃置分合に係る市町村についての第
    七十条及び第七十二条の三第一項の規定の適用に関して必要な事項は、政
    令で定める。

(読替規定)
第百十九条 この法律中「都道府県知事」とあるのは、その区域が二以上の都
    道府県の区域にまたがる連合会については、「厚生大臣」と読み替えるも
    のとする。

(実施規定)
第百二十条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施の
    ための手続その他その執行について必要な細則は、厚生省令で定める。

第十二章 罰則

第百二十一条 審査委員会若しくは審査会の委員又はこれらの委員であつた者
    が、正当な理由なしに、職務上知得した保険医療機関等若しくは特定承認
    保険医療機関の開設者、医師、歯科医師若しくは薬剤師の業務上の秘密又
    は個人の秘密を漏らしたときは、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金
    に処する。
2 職務上前項の秘密を知得した第四十五条第七項(第五十二条第六項、第五
    十三条第六項及び第七項並びに第五十四条の二第十二項において準用する
    場合を含む。)の規定により厚生大臣の定める診療報酬請求書の審査を行
    う者又はこれを行つていた者が、正当な理由なしに、その秘密を漏らした
    ときも、前項と同様とする。

第百二十一条の二 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為を
    した健康保険法による保険者たる健康保険組合、第六条第三号に規定する
    共済組合又は組合の役員、清算人又は職員は、二十万円以下の罰金に処す
    る。
一 第八十一条の八において準用する老人保健法第七十九条第三項の規定によ
    る報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒
    み、妨げ、若しくは忌避したとき。
二 第八十一条の十二において準用する老人保健法第六十七条の規定による報
    告若しくは文書その他の物件の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しく
    は虚偽の記載をした文書を提出したとき。
2 第八十一条の十二において準用する老人保健法第七十六条第一項の規定に
    よる報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を
    拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした基金又は受
    託者の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

第百二十二条 正当な理由なしに、第百一条第一項の規定による処分に違反し
    て、出頭せず、陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報
    告をし、又は診断若しくは検案をしなかつた者は、十万円以下の罰金に処
    する。ただし、審査会の行う審査の手続における請求人又は第百条第一項
    の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人は、この限りでない。

第百二十三条 被保険者又は被保険者であつた者が、第百十四条第二項の規定
    により報告を命ぜられ、正当な理由なしにこれに従わず、又は同条同項の
    規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しく
    は虚偽の答弁をしたときは、十万円以下の罰金に処する。

第百二十四条 医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを使
    用する者が、第百十四条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書
    類その他の物件の提示を命ぜられ、正当な理由なしにこれに従わず、又は
    同条同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せ
    ず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、十万円以下の過料に処する。

第百二十五条 組合又は連合会が、第二十七条第四項(第八十六条において準
    用する場合を含む。)の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、
    第百八条第一項の規定による報告を命ぜられ、正当な理由なしにこれに応
    ぜず、若しくは虚偽の報告をし、又は第百九条第一項の規定による命令に
    違反したときは、その役員又は清算人を十万円以下の過料に処する。

第百二十六条 第十五条第二項又は第八十三条第四項の規定に違反した者は、
    十万円以下の過料に処する。

第百二十七条 市町村は、条例で、第九条第一項若しくは第七項の規定による
    届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者又は同条第三項の規定により被
    保険者証の返還を求められてこれに応じない者に対し二万円以下の過料を
    科する規定を設けることができる。
2 市町村は、条例で、世帯主又は世帯主であつた者が正当な理由なしに、第
    百十三条の規定により文書その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられて
    これに従わず、又は同条の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、
    若しくは虚偽の答弁をしたときは、二万円以下の過料を科する規定を設け
    ることができる。
3 市町村は、条例で、偽りその他不正の行為により保険料その他この法律の
    規定による徴収金の徴収を免かれた者に対し、その徴収を免かれた金額の
    五倍に相当する金額以下の過料を科する規定を設けることができる。
4 地方自治法第二百五十五条の二の規定は、前三項の規定による過料の処分
    について準用する。

第百二十八条 前条第一項から第三項までの規定は、組合について準用する。
    この場合において、これらの規定中「条例」とあるのは「規約」と、「過
    料」とあるのは「過怠金」と読み替えるものとする。
2 組合又は連合会は、規約の定めるところにより、その施設の使用に関し二
    万円以下の過怠金を徴収することができる。

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