茯苓
神農本草経の上品に収載
その薬能は[胸脇逆満,憂圭,驚邪,恐悸,心下結痛,悪寒,煩満,がい逆,上焦,舌
乾を主どる.云々]と記載される.現在でも漢方薬の要薬である.
[起源]
サルノコシカケ科のマツホドの菌核をそのまま乾燥したもの
この菌はマツ属植物の根に寄生し,伐採後3〜4年を経た樹の根の周辺に不定形塊状の
菌核を形成する.
[産地]
日本(鹿児島,宮崎,北海道,などであるが生産量は少ない.)
中国(湖北,雲南,広西)なら年間約350トン輸入している.近年本邦市場では価格
の安い中国産の栽培品が大半を占める.きた朝鮮からも少量輸入している.
[薬理]
水製エキスは健康人,ウサギ,ラット,マウスなどに経口投与してもほとんど利尿作用
を示さないが生理食塩負荷マウスに経口投与すると軽度の利尿作用が認められる.又S
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ラット経口投与で軽度の胃潰瘍発生予防およびマウス経口投与で拘束水浸ストレス胃潰
瘍予防効果があり,マウス経口投与で塩化ピクリルによる接触性皮膚炎を抑制し,さら
に水製エキス又はエタノールエキスはウサギ経口投与で一過性の血糖上昇後降下作用を
示す,と報告されている.
[薬効]
利尿薬,尿路疾患薬,精神神経用薬,鎮痛薬,健胃消化薬,止瀉整腸薬,鎮吐薬,保健
強壮薬とみなされる処方及びその他の処方に高頻度で配合されている.