◆β-カロチンとは
植物だけに存在する,黄色・赤色・紫色・橙色等の色素である,カロチノイドという成
分の一つで1931年に発見,カロチンと名付けられた.カロチンにはα(アルファ),β
(ベーター),γ(ガンマ)の三種類があり,我々が
普段緑黄色野菜から取るカロチンはβ-カロチンである.
βカロチンはビタミンAの前駆体(プロビタミン)として知られてきた.
たしかにビタミンAは人体に必要な物質で,不足すると視力の低下,にきび・肌の乾燥
,風邪を引きやすくなる,眼が痒い,髪が傷む,食欲減退,といった症状が現れる.
ビタミンAを多く含む食品には魚の肝油,レバ−,鰻,卵,チーズ等の動物性食品がる
.ところが動物性食品だけでなく緑黄色野菜にもビタミンAと同様の効果があることが
明かになり,結局そこに存在する”β-カロチンが体内で分解しビタミンAに変化する
”と解
明された.

◆β-カロチンの効用
βカロチンを多く含む緑黄色野菜を毎日食べている人と,そうでない人を17年間観察
した場合,二割以上も死亡する危険度が低いと報告される。β-カロチンは活性酸素,過
酸化脂質を除去し,細胞を活性化し老化を防ぐ補助効果があるためだ。

研究の結果β-カロチンにガン予防の効果があるとの報告がある。
アメリカの国立ガン研究所のではガン予防研究の第一号にβ-カロチンを取上げた。
その理由としてガンに関する15の疫学的研究のうち,12件でβ-カロチンの主要な供給
源
である緑黄色野菜の摂取量の多いほど,ガンになる率が低くなると証明されたことによ
る。また,イギリスの権威ある科学誌[ネイチャー]で"β-カロチンははたしてガンを減
少させるか"の特集記事で,β-カロチンが肺ガンに対して予防効果があるという結果報
告もされた。

◆ビタミンAも大切な物質
βカロチンが体内で酵素によりビタミンAに変るのは約3分の1であり,β-カロチン
の
まあ体内に吸収されたものが老化防止,ガン予防等の重要な働をしていると分ってきた
が,ビタミンAも身体に欠かすことのできない物質である。
国立ガンセンター研究所ではガン予防12ヵ条を発表している。その一項に"適度のビ
タ
ミンA,C,Eと繊維質のものを多く取る"とある。

◆β-カロチンの含まれている物
科学技術庁の「四訂日本食品標準成分表」の通り,β-カロチンは青じそ,パセリ,ニ
ン
ジン,ほうれん草,等に多く含まれている。これらの緑黄色野菜は淡色野菜に比べビタ
ミン、ミネラルも多量に含んでいるので栄養のバランスから考えても身体に良い。緑黄
色野菜は一日100mgは取る習慣にすべきだ。
  

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