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尾台榕堂 の『方伎雑誌』を読む .6
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消石は古き人家の床下の土を掘り,これもまた煎煉して芒硝,牙消,英消の三品となる
という.『物類品●』に詳かに記載される.今の芒硝は馬牙硝同様で芒硝とは称し難い
.−−−.
石膏
唐を用いる事.和産もその色潔白でよく●●すると細く砕けるものを佳品とする.石見
産は多くが佳品である.唐産でも色河童苦ではなく砕くと方解石のような品がある.用
いるべからず.石膏を甚だ恐れる人があるが,間違いである.煩熱を治し,大熱を消解
し,枯燥を潤し上逆を鎮圧する等その効用は決して他薬の及ぶところではない.朱震亭
が曰く薬の命名は多くの意味があるが,色,形,性質,味,効能等から決められる.「
膏」の字の意味をよく考えることだ.
滑石
河内安部郡,備前山本山などから産するものを生滑石と称し,滑●な品を砕き用いる.
水干と称する物は偽雑である.用いないことだ.
甘草
南京産を用いる事.質が充実し黄色で枯燥し虫の付いていない物が佳品である.我国産
は甲州信州及び他所からも多く産する.皆な福州種である.しかし青臭い気味があって
劣品だ.今南京産と称する物も実は福州種であるということだ.
黄耆
綿黄耆と称する物が甘味があってよい.しかし,文政の頃から佳品が舶来しない.今あ
る品は多くは丸く牛ぼうのようである.中には平たく綿黄耆のように似た物もあるので
よく撰んで用いる事.和黄耆に芸州広島,加州白山,下毛日光の産は甘味あって柔靭肥
大の物があり,返って唐の粗劣な品に勝っている.富士黄耆は苦味があり劣品.
人参
直根と称し箱入で包み紙に奈良町年寄の押印したものを用いる.軽症は竹節人参でも良
い.竹節は水で洗い刻み乾かし少し炒って薄茶褐色にして用いる.そうすると青臭いの
が無くなり煎じても泡が立たなくなる.大病人,または嘔吐嘔逆には必ず直根を用いる
事.直根も少し炒るのが良い.直根にも竹節にも玉の付いたものがある.この玉ばかり
集め玉人参と呼ぶ.佳品である.
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桔梗
薬舗に生干しと称して肥大充実の品がある.これを用いる事.枯燥,軽虚,サラシ,と
称して白色の物は用いない事.
朮
唐蒼朮の洗い刻んで放置すると白粉を生ずるものを用いる事.四十年以来は佐渡より上
品が産していたが,−−−−.
黄連
加州白山,下野日光の物が佳品である.仙台産も細くて長いものは用いると良い.深い
黄色で苦味の強いものが佳品である.肥大して短いものは栽培物で野生品ではない.苦
味薄く用いないほうが良い.
貝母
唐に勝るものはない.しかし和産も円実で白色ものもは効果がある.
黄苓
唐産も朝鮮産も皆な良い.和産も近年朝鮮種の上品をだす.深い黄色でおく乾燥してい
るものを用いる.
細辛
近年奥州南部,佐渡,讃岐などより産する.細くて辛味に強く口内習習する佳品である
.他所から産する他所から産する辛味薄いものは用いべからず.
当帰
今−−−−ものは栽培の品である.効果があるか分らない.昔越後に居たとき米山で産
した物を用いたことがあるが,これは少し辛味があり,形長く細根少く臭いはきゅう窮
(川きゅう)に類する.運血,和血の効果は高い.江戸に移ってからもその品を取寄せ
ていたが手間が掛るので今は仕方なく大和種の栽培品を用いている.『用薬須知』に越
後産の品を挙げて本綱の主要な当帰とする.今,薬鋪になし.
芍薬
南部の「赤」と称するもの,山地に育成する.結実,拘攣を解く効力は強い.信州産は
これに次ぐ.江戸の薬鋪あまり下直に仕切るので今は両方とも入荷しない.近年は生干
しと称するものが●●に出回る.栽培の品であるが肉食は薄桃色の物を撰び用いること
.薬鋪にある真の芍薬という物は蒸して干している物である.用いないことだ.
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