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牡丹皮
下りと称するものは園中の品である.地と呼ぶものは山生である.信州の山生の産を良し
とする.
乾漆
黒色光亮のもの佳品である.●偽が多い.松岡玄辰の説にならって真偽を確めるには
火で焼き硫黄の臭気がするものは石炭であるといえる.
黄土
伏竜肝とも称する.竃中黄土はこれである.自ら取り用いる事.俗にいう黄土と混じる
ことの無いよう.
冬葵子
[冬あおい]または[冬あおい]と称するものの実を用いる事
赤石脂
古渡りと称して白色と淡桃色が混じる物が上品である.和産も佐渡,出羽,山城等には
上品ありということだ.
代しゃ石
舶来の[いほで]を称するもの佳品である.和産も尾州,濃州より佳品を産するという
.
芫花
和産,漢産ともあるが漢品を用いる事.和名[しげんし],[またさつまふじ],『本
草綱目』草部に収載されるのは誤りである.木で三月淡紫花を開く.幹の高さ2〜3丈
になる.また黄花を開くものもある.
竹茹
竹葉ともに淡竹を用いる事.薬舗にて苦竹(またけ)孟宗竹の皮を売る者がある.撰ぶ
事だ.
しゃ虫
葉くらいの新物を撰ぶこと.本草家,さそり,或いは源五郎虫をしゃ虫の代用するのは
誤りである.
粉(ふん)
粉錫である.また白粉,官粉,胡粉とも称する.薬舗にて唐の土と呼ぶ物はこれである
.甘草粉蜜湯の粉を『外台秘要』に従い,梁米粉を用いる者がある.また軽粉,甘草粉
など用いる者があるが,これは宜しくない.粉錫を用いてその効果をみることだ.箱入
で百匁入という物が上品である.和名胡粉を称する物は牡蛎,蛤などの殻を焼いた物で
ある.これは蛤粉と呼ぶ物で別物である.唐の土を用いることだ.
雲母
唐産,蘭産を佳品とする.和産も参州の上品は不足を補うには良いだろう.
戎塩(じゅうえん)
胡塩,また●塩とも称す.もと南蛮産である.故に戎塩という.微青色の物を用いる.
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阿膠
舶来の硯手と称する物が上品であるが現在では希である.櫛手の透して透明である物を
用いる事.和産,玉阿膠は効果劣っているが臭気の無い物は不足を補うには良い.
呉茱萸
漢産小粒の物を用いる事.和産も官園産で臭気無く枯れた物は佳品である.
辰砂
辰州より産する丹砂である.漢では丹とも称し,また単に朱砂とも称す.本邦にて朱と
呼ぶ物は水銀を原料に製造した物である.混同することが無いように.
麦門冬
芸州の産が佳品である.大粒の物滋潤の効力に優れる.
そうきょう
猪牙と称し,長さ2〜3寸の物が佳品である.肥えた物は長さ1〜2尺もある.用いる
べからず.
白桃花
花の開かかりを乾かし用いる.新しい物が佳品.軽浮の物なので古いと効果が無い.
虻虫
和産漢産共に形が小さく,新しい物を佳品とする.
紫蘇
ちりめん紫蘇と称する物佳品である.自ら採取し乾燥,用いる事.
がい葉
5〜6月に採取し乾かし用いる.
側柏葉
一般に呼ぶ[このてがしわ]という物.毎年に葉を取り乾かし用いる.
文蛤
はまぐり貝に雀色の模様のある物がこれである.五倍子にあてるは誤りである.
猪胆
野生の猪の胆である.甲州の産が上品である.●品多いので精撰すること.効用は熊胆
に劣らない.
竜脳
唐口という物を用いる.一種極白色で白手と呼ばれる物がある.かえって宜しくない.
じゃ香(じゃこう)
当門子と称する物が佳品である.臍じゃ香がこの品である.薬●白を「○○」と偽り白
手と称して売る者がいる.撰ぶことだ.じゃ毛は赤色,●毛は白色である.
熊胆
琥珀様(こはくで)と称し琥珀色の物が極上である.茶褐色の物はこれに次ぐ.皆なが秋
に取る品で黒色の上品は茶褐色品に次ぐ.会津,和州の産は上品である.しかし,●も
多いので精撰する事だ.他州の産も佳品は用いれば良い.甲州にて春に採取する物は正
真品でも苦味薄くて4月〜5月頃には柔和になり,6〜7月になると溶ける物がある.
下品である.熊胆は正真品をよく味わい,真偽を自得することが大切だ.正真品の気味
を心得すれば偽物に惑うことがない.
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